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目が悪いってどういうこと?遠視と近視の違いとその仕組みについてご紹介

メガネやコンタクトレンズをつけていないと視界がぼやけて見えにくい。目が悪いことはわかっているけれど、自分が遠視か近視どっちなのかよくわからない、という人も多いのではないでしょうか?遠視や近視の仕組みを理解しておくことで、より快適な見え方にも近づけやすくなります。
そこで今回は、意外と知らない遠視や近視の違いやその特徴、治療法までを徹底解説!見えにくさの原因を根本から探ってみましょう。
■近視ってどういう意味?遠視と近視の違いを徹底解説!

見えにくさを感じる原因となっている遠視・近視とは一体何なのか、解説していきます。
・目が悪いってどういうこと?
通常、目に入ってきた光は水晶体と角膜で屈折して網膜上の一点に焦点を結びます。目が良い人は「正視」と呼ばれるこの状態にあり、ぼやけることもなくはっきりと見えるのです。
遠視や近視があると、何も調節していない状態では網膜上にピントを合わせることができません。こういった、目に入ってきた光が屈折異常を起こしている状態を、遠視や近視と呼びます。
・近視とはどんな状態?
屈折異常の中でも、網膜の手前で焦点を結んでいる状態が近視です。近視の状態となる原因は、大きく分けて2つあります。
1つは、眼球の奥行が長く、網膜の位置が通常よりも奥にある場合です。屈折力が正常であっても、目の形がまん丸でなければピントを網膜上に合わせられません。
もう1つの原因には、水晶体や角膜における光を屈折する力が、通常よりも強いことが挙げられます。光を曲げる力が強すぎると、網膜の手前で焦点を結んでしまうのです。
・遠視とはどんな状態?
遠視は、近視とは反対に網膜の後ろで焦点を結んでいる状態です。その原因も近視と同様に2つあり、目の形と屈折力が関係しています。
目の形状により、通常よりも網膜が手前にくる場合には、矯正していない状態では網膜に焦点が合うことはありません。
また、水晶体と角膜が光を屈折する力が通常よりも弱すぎた場合にも、同じく網膜の後ろで焦点を結んでしまいます。屈折力が足りていない分、調節力や矯正で力を補う必要があるのです。
■私って目が悪いの?近視遠視チェック方法をご紹介!

実際にどのくらい目が悪いのかを確認するためには、どんな方法があるのでしょうか?元々クリアな見え方を知らなければ、目が悪いことに気づいていないだけかもしれません。近視と遠視、どっちの状態になっているのか簡単に確認できるテストもご紹介します。
・今の視力をチェックしよう!視力検査表を使った視力確認
視力確認する際は、視力検査表(ランドルド環/いわゆる「C」のようなマーク)を使った方法がスタンダードです。視力検査表から5m離れた場所で片目を隠し、ランドルト環の切れ目がある方向(上下左右)を指します。
見え方が気になったときには、眼科で検査を受けてみましょう。
・近視か遠視どちらの状態かがわかる!レッドグリーンテスト
赤と緑の中に書かれている文字のどちらがはっきり見えるか確認することで、今の見え方が近視・遠視どちらの状態に近いのかを判断する要素となるレッドグリーンテスト。このレッドグリーンテストは、色によって焦点を結ぶ距離が異なる色収差を利用した検査方法です。
赤の中の文字がはっきり見えた場合は近視、緑の中の文字がはっきり見えた場合には遠視状態にあるといえます。主観的な要素が大きいため、確実な判断ができるわけではありませんが、手軽に近視遠視チェックをしてみたいときに試してみると良いでしょう。
■視力が悪いことと度数の関係性を徹底解説!
視力が悪いとは、どのような意味で使われるのでしょうか?
視力を矯正するために使用する、メガネやコンタクトの度数にはどんな意味があるのかも、あわせて確認しておきましょう。
・「視力が悪い」という言い方は「目が悪い」と同じ意味
学校や会社の健康診断の視力検査で、「視力が悪い」といわれた場合は、目が悪くなってきている可能性があることを意味しています。特に、まだメガネやコンタクトレンズで矯正したことがない子どもは、クリアに見える感覚がわからず、実際にはぼやけて見えているのかもしれません。
自分では見えづらさを感じていなかった場合でも、念のため眼科で再検査を受けておきましょう。
・メガネやコンタクトの度数って何を表しているの?
近視や遠視があって見えづらさを覚えるときには、度の入ったレンズで光が屈折する度合いを調節して、網膜上に焦点を合わせる必要があります。その屈折力の強さを数値で表したものが度数です。
近視はマイナス、遠視はプラスで表記され、それぞれの度合いが強いほどレンズの数値も高くなります。
・視力悪い人は度数が合っていない可能性も!
遠くが見えにくく視力もあまり出ていないときには、メガネやコンタクトの度数が合っていない可能性もあります。手元を見えやすくするためにあえて弱めの度数にしている場合を除き、度数を調節することで見え方が改善するかもしれません。
普段から見えづらさがあり、会社や学校の視力検査で視力があまり出なかった場合には、一度眼科で検査を受けてみることをおすすめします。
■目が悪い人に特徴はある?その仕組みと意識すべきポイント

近視や遠視を持つ人の特徴と、目が悪くならないために日常生活で気をつけるポイントをご紹介しましょう。
なお、ここで解説する「目が悪い」とは、白内障や緑内障といった病気が原因のものではなく、屈折異常を原因としている見え方のことを指します。
・遺伝の可能性もある!
目が悪い人の特徴とは 目の形によって起こる近視や遠視は、先天性の要素が強く、遺伝による影響が考えられます。両親に強度の近視や遠視がある場合には、子どもも同じく目が悪くなる可能性が高いようです。
・日常生活で気をつけるべきポイント
パソコンやスマホなどで近くを長時間見続けているときは、常に目が緊張している状態にあります。しばらくすると、目の筋肉が固まってしまい、遠くにピントを合わせにくくなるのです。連日この状態が続くと、眼精疲労を起こして一時的に視力が落ちてしまうことも…。
特に調節力が安定していない子どもの場合、成長する過程で手元を見ることが多ければ、その見え方に合わせようとして目の奥行が伸びてしまうこともあります。子どもに、スマホやゲームで長時間近くの画面を見せることは避けましょう。
■寝起きの見え方も快適!目が悪い人の治療法とは?
目が悪くても、病的な場合でない限りメガネやコンタクトを使用することで見えやすくなる場合が多いです。さらには、裸眼で過ごせる治療方法も存在します。
目が見えにくくて困っているときの対処と治療方法をまとめてみました。
・とにかく見えやすくしたい!見えにくいときの対処法
手術をせず、見えやすくしたいときにできる対処方法をチェックしてみましょう。
メガネ
目に異物を入れることがなく、直接的な負担がかからない矯正方法。寝るときや手元を見る際にはすぐに外せるところもメリットです。スポーツや運転時にはわずらわしさを感じることもあるでしょう。
コンタクトレンズ
角膜上にレンズをのせて矯正するため、スポーツ時でも邪魔にならず、裸眼と同じ視界で見ることができます。使い方を間違えると眼病にもつながるため注意が必要です。
オルソケラトロジー
専用のコンタクトレンズをつけて寝ることで角膜の形状を変化させ、日中は裸眼で過ごすことができる矯正方法。子どもでも行える治療方法ですが、視力が安定するまでは時間がかかること、費用が高いなどのデメリットもあります。
・目が悪い人には治療方法があった!その手段とは?
視力を一時的に矯正するのではなく、手術によって目が悪い状態を治す方法もあわせてご紹介しましょう。
レーシック
角膜にレーザーをあてて表面を削り、屈折異常を治療する方法。治療後は裸眼で過ごせるようになります。一度削った角膜は元に戻せないことや、治療後に再び見えにくさが出てくる可能性もあることなど、注意事項をよく確認したうえで手術を受けましょう。
ICL
目の中にレンズを入れて視力矯正する治療法。角膜を削ることがなく、レンズを取り出してもとに戻すこともできます。異物感もないため、治療後は裸眼時と同じように過ごせるところが魅力。ほかの治療方法に比べ、費用が高いところがデメリットです。
■目が見えるようになると嬉しいこと
目が悪い場合には、さきほど紹介したようなさまざまな治療法・矯正方法があります。目が悪い人にとって、目が見えるようになると嬉しいことにはどのようなタイミングがあるのでしょうか?具体的なシーンをご紹介します。
・ギリギリまで見ていたい…寝起き・寝る間際
目が悪いと、朝起きたときにはいちばんにメガネを探すという人も多いのではないでしょうか?寝るときも、ギリギリまでメガネをかけているという人もたくさんいるでしょう。
毎日の生活の何気ないタイミングだからこそ、目が見える嬉しさがより実感できます。メガネ、コンタクトレンズのどちらを使っている人にとっても、寝起きや寝る間際は目が見えると嬉しいシーンです。
・いつどこで起きるかわからない!災害時
すぐに避難しなければならないときに、視界がぼやけていることは命にも関わる問題です。
いつどこで起こるかわからない災害時も、目が見えていると嬉しいタイミングとして考えられるでしょう。
・お風呂・銭湯・サウナ・ラーメンを食べるとき
特にメガネユーザーは、お風呂やサウナなどの曇りやすい環境では、メガネを外してもかけていても見えない状況に。メガネに対するわずらわしさを感じずにはいられないでしょう。
マスクによる曇りからも解放されるため、目が見えるようになれば、日常生活は一気に快適なものへと変化するでしょう。
・荷物をできるだけ減らして行きたい!海外旅行
海外旅行へ行く際には、持っていける液体の量に制限がかかります。コンタクトレンズを使うときに必要な洗浄液もその対象です。
また、1日使い捨てのコンタクトレンズであれば、長期間滞在することが多い海外旅行にも、その日数分レンズを持っていく必要があります。裸眼でもしっかりと目が見えている状態であれば、洗浄液やコンタクトレンズを持って行く必要もなく、身軽な状態で旅行を楽しめるでしょう。
・プール・海などのアクティビティ
プールや海などのアクティビティを楽しむ際には、わずらわしく感じやすいメガネ。コンタクトレンズも、水や海水がつくと雑菌が繁殖しやすいため、あまりおすすめできません。
水を使った遊びを100%楽しむために、できることなら裸眼で過ごしたいと考える人も多いようです。
これらの悩みは、ICLなどの視力矯正法により状況が改善するかもしれません。「メガネやコンタクトレンズじゃなかったら…」といった思いを抱えた経験のある方は、検討してはいかがでしょうか。
■近視や遠視を理解して理想の見え方に近づけよう
見えにくさの原因となっている近視や遠視があるのかどうかは、視力検査表やレッドグリーンテストでチェックすることで簡単に確認できます。
見えにくさを感じていて、簡易的な視力検査で視力が出づらかった場合には、一度眼科で検査を受けてみると良いでしょう。近視や遠視の仕組みを理解したうえで矯正や治療を受けることで、理想の見え方に近づけられるかもしれません。