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ICL難民とは?|メリットとデメリットを知って上手にクリニックを選ぼう

「ICL難民」という言葉をご存じでしょうか?ICLを検討している人にとっては、聞き捨てならないワードかもしれません。今回の記事では、ICL難民について解説すると共に、ICL
のメリット・デメリット、信頼のおけるクリニックの探し方などを紹介しています。ICLで視力回復を目指すだけでなく、リスクまでしっかり把握し、ICL難民になってしまわないように備えましょう。
ICL難民とはどのような状況の人のこと?

「難民」と聞くと、ネガティブなイメージを抱く方が多いかもしれません。では、「ICL難民」とは、どのような状況の人のことを指すのでしょうか。
まずは、ICLの治療方法をおさらいしつつ、ICL難民について解説します。
そもそもICLはどんな治療?
ICLは、小さいレンズを眼の中に移植し、近視や遠視、乱視の矯正を目指す治療です。眼の中に直接レンズを入れるため、「レンズがゴロゴロする」というような異物感がありません。
ICLで視力の回復が叶うと、まるで裸眼のような快適さと、眼鏡やコンタクトレンズに頼らない生活が手に入るでしょう。
ICL難民って何?
「ICL難民」とは、ICLで思ったような効果が得られなかったにもかかわらず、手術後に十分な説明やフォローがなく、医療機関に見放されてしまった患者さんのことを指します。
「○○難民」という言葉は、もともとレーシック治療を受けた患者さんを表現するワードでした。レーシック治療後のトラブルを放置され、適切な治療が受けられず、行き場を失ってしまった患者さんが「レーシック難民」と称されたのです。
レーシック難民となってしまった人達が、ブログなどで自身の体験や後悔、注意喚起といっ
た情報を発信。ニュースにも取り沙汰され、「レーシック難民」というワードが広く知れ渡るようになったのです。
そして「○○難民」という表現が、ICLにおいてレーシック難民と同じような状況の患者さんにも派生し、「ICL難民」と言われるようになりました。
しかし、基本的にICLでは「難民は生まない」と考えられています。その理由は、レーシックとの治療方法の違いやリスクの低さにあります。
次に、ICLとレーシックの違いを詳しく見てみましょう。
ICLはレーシックとどう違う?
ICLとレーシックの大きな違いは、眼の角膜を削るかどうか。ICLは、角膜を直接削らず、レンズを入れて視力や乱視などの矯正を図ります。対してレーシックは、角膜を削って屈折力を調整し、視力回復を目指す治療です。
角膜を削ってしまうと、元の状態には戻せません。角膜を削るレーシックの場合、手術後に満足のいく結果が得られなくても、やり直しができないのです。
ICLは小さく切開してレンズを入れる仕組みのため、手術後でも再手術してレンズを取り出せば元の状態に戻せます。角膜を削らないことでリスクを極力抑えつつ、視力や見え方の改善が見込めるのです。
ICLのメリットとデメリット

ここまでで、ICLの治療の特徴やレーシックとの違いについて、ご理解いただけたのではないでしょうか。角膜を削るか削らないかの差は大きく、ICLにはさまざまなメリットがあります。
ただし、ICLも手術を要する治療であるため、リスクがないとは言い切れません。
続いては、ICLのメリットとデメリットについてお伝えしていきます。
ICLで得られるメリット
ICLで得られるメリットは、以下の6つが挙げられます。
【ICLのメリット】
(1)視力が安定し長期間キープできる
(2)視界がクリアになる
(3)レーシック対象外の人も受けられる
(4)術後のリスクが低い
(5)短時間の手術で回復が早い
(6)紫外線をカットできる
では、それぞれのメリットについて具体的に見ていきましょう。
(1)視力が安定しやすい
ICLは、眼の中に直接レンズを入れて視力の矯正を図るため、視力が安定しやすい特徴があります。もともとの近視の度合いに関係なく、長期にわたって視力が回復した状態をキープできるでしょう。
(2)見え方がクリアになる
ICL治療を受けると、見え方の質が向上します。ICLで使うレンズは精密で、角膜のわずかな歪みさえも増やしません。加えて、水晶体の近くで矯正するので、精度が高いのです。
そのため、見え方が鮮やかでくっきりとし、立体感も分かりやすくなるでしょう。
(3)レーシック対象外の人も受けられる
レーシックの場合、近視の度数が強すぎる(-10D以上)の人は手術が受けられません。さらに、角膜が薄い人も対象外です。
しかしICLは、-10D以上の人も手術が受けられます。角膜の厚みも問われません。ゆえに、レーシックより適用範囲が広くなっています。
(4)術後のリスクが低い
前述したように、ICLは角膜を削らないため、術後のリスクが低いのです。一方、角膜を削るレーシックでは、近視戻りや術後の感染症、ドライアイといったリスクが考えられます。
術後の感染症はICLにおいても起こり得ますが、その他のリスクはほとんど考えられないでしょう。
(5)短時間の手術で回復が早い
ICLの手術時間は、両眼でおよそ20~30分。短時間な上に、わずか3mmの切開で済むので、眼への負担が少ない手術です。そのため術後の回復が早く、翌日にはよく見えるようになるでしょう。
(6)紫外線をカットできる
ICLのレンズは光を反射しにくい特徴があり、90%以上紫外線をカットできるそうです。
紫外線は眼にとって有害で、白内障の原因や眼の老化の一因になりかねません。有害な紫外線をカットできれば、眼の健康にもつながるでしょう。
ICLにデメリットはある?
ICLにはさまざまなメリットがある一方、デメリットがあるのも事実です。ICLを検討する際には、デメリットも踏まえて考えたいですね。
ICLのデメリットは、次の5つが考えられます。
【ICLのデメリット】
(1)レンズが合わない可能性がある
(2)術後に感染症やハロー・グレアが起こるケースがある
(3)保険が適用できない
(4)手術を受けるまでに時間がかかる場合がある
(5)手術ができない人もいる
それぞれ詳しくチェックしてみましょう。
(1)レンズが合わない可能性がある
まれに、眼の中に入れたレンズのサイズや度数が合わないことがあります。とはいえ、術前にきちんと度数やサイズを検査するため、交換に至るケースはほとんどないでしょう。
万が一レンズが合わなかったとしても、レンズの交換や修正が可能です。
(2)術後に感染症やハロー・グレアが起こるケースがある
ICLのメリットに、「術後のリスクが低い」と紹介しましたが、ノーリスクというわけではありません。手術で切開すれば、感染症のリスクは否定できないのです。起こり得る感染症として、結膜炎や眼内炎、急性角膜浮腫、眼感染症などが挙げられます。
また、光が目に入ったときに眩しさや滲みを感じ、見えにくくなってしまう、ハロー・グレアという現象が起こるケースもあるでしょう。
(3)保険が適用できない
ICLは保険適用外の治療です。それゆえに自己負担が大きく、高額な医療費を捻出しなければなりません。手術費用は両眼で35~80万円と、クリニックによって大きく異なります。これは保証期間やアフターフォローのなどの内容に違いがあり、それが金額の差となっているためです。
金額に幅はありますが、どちらにせよICLは金銭的な負担が大きいでしょう。
(4)手術を受けるまでに時間がかかる場合がある
レンズの準備に時間を要し、手術を受けるまでに時間がかかってしまう場合があります。ICLで使用するのは、患者さんにとって最適なレンズです。ひとりひとり度数やサイズが違うため、レンズの在庫がないケースも。時には、1~3カ月待つこともあるでしょう。
すぐに手術が受けられない可能性も考えて、早めにクリニックに相談してください。
(5)手術ができない人もいる
近視の度合いが強い人でも受けられるICLですが、すべての人が治療を受けられるわけではありません。ICLが不向きの人もいるのです。
【ICLが不向きの人】
・18歳未満
・眼の病気がある(緑内障、白内障など)
・視力が大きく変動している、視力が安定しない(妊娠中、授乳中を含む)
・レンズを入れる部分(前房)が極めて狭い
このような特徴がある人は、ICLの手術が困難です。まずはICLが可能かどうかを知るために、適応検査をしっかり受ける必要があるでしょう。
ICLは何年持つ?レンズは永久的に使えるの?
ICLは、一度手術すると何年持つのかも気になりますよね。
メリットで紹介したように、ICLは基本的に長期間入れておけます。ICLのレンズには寿命がないのです。
レンズは、人体に悪影響を及ぼしにくい生体適合性の高い素材でできており、耐久性にも優れています。メンテナンスや交換の必要もありません。
コンタクトレンズのように、毎日着け外したり、洗浄したりといった管理のわずらわしさから解放されるのも、ICLの魅力です。
しかしながら、年齢を重ねると共に乱視や老眼が始まってしまう方もいます。術後の大幅な度数の変化や、乱視や老眼になったら、レンズの交換や取り外しの検討が必要になるでしょう。
ICLを受けるときはクリニック選びも大切

ICLはリスクが低い治療法ですが、「料金が安いから」「実績が多いから」「口コミが高評価だから」と安易にクリニックを選んでしまうのは、おすすめできまません。ICL難民となら
ないためにもクリニック選びは重要です。
クリニック選びの際は、以下のポイントを意識してみてください。
【クリニック選びのポイント】
・日本眼科学会認定専門医(眼科専門医)が執刀しているか
・丁寧で綿密な検査を行っているか
・医療設備や機器が整っているか
・リスクの説明がしっかり受けられるか
・術後のフォローが万全か
・分かりやすい料金設定か
これらのポイントをチェックし、より信頼のおけるクリニックを選びましょう。
ICL難民とならないようクリニック選びが重要
角膜を削らず、眼の中にレンズを入れることで、さまざまなメリットを生み出すICL。ただし、手術をする以上、リスクがゼロとは言い切れません。納得のいく治療やフォローが受けられず、ICL難民となってしまわないよう、信頼のおけるクリニックを選びましょう。
渋谷眼科クリニックでは、ICL治療が可能です。さまざまな検査機器を導入し、ひとりひとりに最適な診察と治療を行っています。ICLを検討中の方は、お気軽にご相談ください。