ICL術後の経過について知りたい!日常生活の注意点は?

出典:photoAC

近視や遠視、乱視を矯正するICL手術は、厚生労働省が認めた安全性と有効性の高い視力回復法として注目を集めています。皆さんの中にも「ICL手術を検討している」という人は多いのではないでしょうか。そこで気になるのが、術後の経過。この記事では、ICLの手術をした翌日・1週間後・1カ月後の見え方や日常生活の注意点について、詳しく解説していきます。

■ICLとはどんな手術?

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まずは、ICLはどのような手術なのか、手術のメリットと注意点を見ていきましょう。

・ICL手術とは

ICLは、目の中にソフトコンタクトレンズのような小さくて柔らかい眼内レンズを挿入し、近視や遠視、乱視を矯正する手術です。

手術はまず瞳孔を開く目薬を点眼し、瞳孔が開いたら点眼麻酔を行います。麻酔が効いてきたら、角膜の縁を約3mm切開。そこから折りたたまれたレンズを挿入します。

レンズを虹彩と水晶体と呼ばれる部分にしっかりと固定したら、手術は終了。所要時間は片目で20分程度です。入院の必要がないので、日帰りで手術を受けられます。

・ICLのメリット

続いて、ICLにはどのようなメリットがあるのか、解説していきましょう。

レーシックと違っていつでも元に戻せる

ICLと同じ視力矯正を目的とした手術が、レーシックです。レーシックは角膜を削ることで、近視や乱視を矯正します。一度削った角膜は、元に戻せません。手術前の見え方に戻したいと思ってもできないのです。

その点ICLは、レーシックとは異なり、角膜を削らずに視力を矯正します。そのため、レンズを取り出すことで、いつでも元の状態に戻せるのです。例えば、将来白内障や緑内障などの眼の病気になったとしても、レンズを取り出せば、手術を受けたことがない人と同じ治療を受けられます。治療方法に制限がかからないので、治療の選択肢がグンと広がるはず。これは非常に大きなメリットといえるでしょう。

幅広い人に対応可能

レーシックは、強度近視や強度乱視の人には適応できません。また、角膜を削るので、角膜が薄い人も手術ができないのです。

一方ICLのレンズは幅広い度数に対応できるので、強度近視や強度乱視の人にも対応可能。前述したとおり、角膜を削ることなく視力矯正を行うので、角膜が薄い人でも手術できます。

芸能人では、厚切りジェイソンさんが、「レーシック不可だったが、ICLで良好な視力を得ることができた」と話しています。このように、レーシックができず裸眼の生活を諦めていた人でも、ICLなら「裸眼でよく見える生活」を可能にできるのです。

見え方の質がよくなる

ICLの手術をすると、見え方の質やコントラストが良くなる、というメリットもあります。角膜を削らずに試食を矯正するので、角膜に歪みが発生せず、色鮮やかでクリアな視界を確保。また、メガネのように視界が狭くなることもありませんし、ハードコンタクトレンズのように激しい動きでレンズがずれる心配もありません。朝起きてから夜寝るまで良好な見え方を維持できます。

さらに「ハロー・グレア現象」という、夜間に光がギラついたり光が二重に見えたりする症状が発生する確率が低いというメリットも。

面倒なお手入れが不要

ICLを検討している人の中には、面倒なコンタクトレンズのお手入れや定期交換から解放されたい、という人も多いのではないでしょうか。

ICLのレンズは、一度眼の中に入れると、不具合がない限り入れっぱなしで大丈夫です。時間が経つとレンズが劣化する、汚れて見えにくくなる…という心配もありません。ケアや定期交換の必要がないので、裸眼状態と同じように、快適な生活を送れるというのもICLの最大のメリットのひとつです。

日帰り手術が可能

ICLの手術は両眼で約20~30分と短いので、入院の必要がなく、日帰り手術が可能です。そのため、長期的に仕事を休む必要がありません。また、手術を受けると比較的すぐよく見えるようになります。即効性があるのもICLのメリットのひとつです。

・ICLの注意点は?

このように、メリットがたくさんあるICLですが、注意しなければいけないこともあります。

高額な費用がかかる

ICLは公的保険の対象外なので、費用はすべて自己負担です。自由診療のため医療機関によって料金は異なりますが、相場は両眼で50~70万円ほど。

手術代金は医療控除の対象となるので、確定申告をすれば、控除を受けられるケースもあります。生命保険の種類によっては、保険金が給付されることもあるでしょう。

手術までに時間がかかる

ICLのレンズは、手術前検査のデータに基づいたオーダーメイドです。そのため、該当レンズが国内に無い場合、発注することになります。レンズが届くまで、1~3カ月かかる場合もあるので、レンズが届かない間は手術が受けられません。

ICLの手術を検討する場合は、半年程度の時間がかかる場合もある、と考えてスケジュールを組んでおくと安心です。

■ICL術後の目の状態と日常生活の注意点は?

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ICL手術した後、見え方はどのように変化するのでしょうか。また、日常生活でどのようなことに注意すればよいのか、保護メガネや目薬などはいつまで続けなければいけないのか…知りたい人もいますよね。手術当日及び翌日、1週間後、1カ月後に分けて見てみましょう。

・手術当日・翌日

ICLは手術当日(手術後)から問題なく過ごせます。手術当日はやや見え方がぼやけるでしょう。人によっては、ゴロゴロとした違和感を覚えることもあるかもしれません。

手術当日は、なるべく目を閉じて、目を休めるようにしてください。デスクワーク、車やバイクの運転は厳禁です。スマホもできるだけ使わないようにしましょう。

翌日になると、多くの人がクリアな見え方を実感できるはず。人によっては視力が回復しているケースもあります。手術翌日の検診後から、仕事復帰が可能です。ただし、重い物を持ったり、身体を動かしたりする仕事の人は、医師と相談してください。

シャワーは当日からOKですが、お湯は肩から下にかけるようにしましょう。洗顔、洗髪は術後4日経ってから解禁です。

手術直後から、感染症予防のために目薬を点眼します。目薬はなくなるまできちんとさすことが大切です。

・術後1週間

術後1週間経つと、見え方はますます安定します。術後しばらくは、近くのものを見ていると頭痛がする、という人もいるようですが、じょじょに解消するでしょう。ただ、人によっては、手元を見るとピントが合いにくく感じ、困ることもあるようです。

術後1週間経った時点でも、定期検査が行われます。主に視力検査や、近視や遠視、乱視の度数を調べる屈折検査、目の圧を調べる眼圧検査が行われます。

術後1週間経てば、保護メガネの着用も終了。裸眼での生活が近づいてきた、と実感する人も多いでしょう。

・術後1カ月

術後1カ月経つと、視力が安定する人がほとんどです。まれに2カ月程度かかる人もいるようですが、時間の経過とともにクリアに見えるようになるでしょう。

1カ月後にも定期検査が行われます。1カ月後検診で問題がなければ、3カ月後検診、半年後検診と続き、最終的には年に1度の検診に。

筋トレなどの激しい運動やウォータースポーツも解禁。目薬も終了となり、いよいよ裸眼での生活がスタートです。

■術後1カ月で憧れの裸眼生活スタート!

ICLの手術は、術後早い段階から視力が回復することが多いでしょう。とはいえ、術後しばらくは目に違和感があったり日常生活に制限があったりと、多少は不便を感じることがあるかもしれません。でもそれも、しばらくするとほとんど解消されるでしょう。その後は、「長期的なよく見える生活」があなたを待っていますよ。

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