ICLは総額いくらかかる?メリット・デメリットや手術前後の費用感をご紹介

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術後のリスクや近視の戻りが少ないなど、多くのメリットがあるICL(眼内コンタクトレンズ)治療。今回は、ICL治療・事前準備にかかる費用の総額をメインに、メリット・デメリットなどをご紹介していきます。「レーシックとどっちがいい?」「失敗したくないからしっかり知っておきたい」など、さまざまな疑問や要望にお答えできる内容になっていますので、ICLを検討中の方はご一読ください。

■ICL(眼内コンタクトレンズ)ってどんな治療?

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ICLとは、目のなかに小さなレンズを移植して、近視・遠視・乱視などを矯正する治療法です。メガネやコンタクトレンズとは異なり、裸眼での視力回復が望めます。手術にかかる時間は、両目で数十分程度。短時間で終わるため、日帰りでの治療が可能です。一般的にICLが可能とされるのは、18歳以降の方。詳細な理由については、メリットのところで後述していますので参考にしてください。

■ICL治療を受けるメリット

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ICLのメリットを、レーシックなどと比較しながらご紹介します。

・手術の適応範囲が広い

ICLのメリットのひとつは、手術の適応となる範囲が広いこと。日本眼科学会は、-10D以上の強度近視に対するレーシック手術を禁止しています。一方、ICLはレンズのラインナップが豊富なため、-10D以上の場合であっても手術が可能です。近視が強くてレーシックが受けられない方も、ICLであれば受けられる可能性があります。

・手術後のリスクが低い

一般的に、レーシックは角膜を28mm程度と大きく切る必要があります。その結果、角膜の知覚神経が傷つき、術後にドライアイを感じることも。しかし、ICLは切開創が3mmであるため、神経を傷つける心配がありません。このように、レーシックと比べてドライアイのリスクが低いことが、ICLの大きな特徴です。

国内で承認された当初のICLは、白内障が進行するなどのリスクも指摘されていました。しかし、新たなレンズの開発により、そのリスクも低下しています。

・手術後の手入れが不要

ICLは、眼内にレンズを入れる治療です。決められた定期検査を受ける必要はありますが、普通のコンタクトレンズのように毎日の手入れは必要ありません。そのため、手入れをする手間を大幅に省けるでしょう。

・見え方がクリアで鮮やか

見え方の質が高いことも、ICLのメリットです。理由は、角膜を削る必要がないため。角膜を削ると表面が歪みピントが合いにくくなることがありますが、ICLではその心配はありません。そのため、クリアで鮮やかに見えるのです。

・長期にわたり、近視の戻りが少ない

近視の戻りとは、手術から数年経過したあとにもとの視力に戻ることを指します。近視の戻りは、レーシックの代表的なデメリットのひとつ。もともと視力が悪い場合や、手術の際に削る角膜の範囲が広い場合は、近視の戻りが起こる可能性が高くなります。

レーシックの視力戻りが知られているためか、「ICLって何年持つの?」などという声も。ICLは、もとの目の状態に関係なく、視力が落ちにくいという特徴があります。トラブルが起こらない限りは、長期にわたってクリアな視界を維持できるでしょう。

ただし、長期に視力が保てるのは、手術前の視力が安定している場合。近視が進行する可能性のある若い方は、近視の戻りが起こることもあるため、ICLを受けられません。このような理由から、日本眼科学会のガイドラインでは、18歳以上という年齢制限があります。当院でも、20歳以下の方に対するICL手術は行っておりません。

・紫外線のカットもできる

ICLのレンズには、紫外線を90%以上カットできる素材が使われています。近年では、目を老化や白内障から守るための、UVカットのコンタクトレンズも多くなってきました。しかし、この場合、UVをカットできるのはコンタクトレンズ使用中のみ。ICLは、コンタクトレンズのように毎日装用する手間もなく、紫外線をカットできる便利な治療法であるといえます。

・不具合がある場合はレンズの取り出しが可能

レーシックは、角膜を削ることにより視力を矯正する治療です。1度削られた角膜は、もとの状態には戻せません。一方ICLは、レンズを取り出してもとに戻すことができます。手術後に万が一のことがあっても、手術前の状態に戻せるため、非常にリスクの少ない手術であるといえるでしょう。将来白内障などの病気になったときに、治療の選択肢が狭まるという心配もありません。

■ICL治療を受けるデメリット

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メリットの多いICLですが、デメリットもあります。ふたつのデメリットを見ていきましょう。

・手術を受けるまでに時間を要することがある

ICLでは、目の状態に合わせたオーダーレンズを使用します。そのため、国内にレンズの在庫がない場合は、手術までに1~3ヵ月程度かかることも。ICLを検討している場合は、早めに適応検査を受けておくと手術をスムーズに受けられるでしょう。

・保険適用外のため費用が高額になる

ICLはレーシックと同様、保険が適用されない自由診療にあたります。診察代や手術費が全額自己負担であるため高額になり、経済的負担を感じる方も多いでしょう。ICLにかかる費用は、あとでくわしくご紹介していますので参考にしてください。

■ICL手術前後の費用感は?

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ここからは、ICLにかかる費用の総額をご紹介します。コンタクトレンズを使い続ける場合の費用と比較しながら、見ていきましょう。

・コンタクトレンズにかかる費用

1dayタイプのコンタクトレンズの費用相場は、1ヵ月あたり5,000円程度です。使い続けると、1年間で60,000円、6年間で360,000円。10年後には500,000円になります。思っているより多いと感じる方もいるのではないでしょうか。ただし、500,000円という金額は、あくまでも10年間分。若いころから長く使用している場合は、さらに費用がかかると考えてよいでしょう。

・ICL治療を受ける際にかかる費用の総額

次に、ICLの治療にかかる費用と、事前準備にかかる費用についてご紹介します。

ICL治療にかかる費用

ICL治療の費用は、クリニックや近視の程度、保証の有無などにもよりますが、450,000~660,000円程度です。つまり、コンタクトレンズを10年間使い続けると、ICLの相場程度になります。

なお、当院における施術料金は、385,000円程度から。約6年半分のコンタクトレンズ代で手術が受けられる計算です。つまり、ICLの費用が高額であるといっても、長い目で見ればコンタクトレンズ代より安くなる可能性があります。

レーシックの費用とも比べてみましょう。レーシック治療の費用は、両目で200,000円程度から。より最新の機器を使ったオーダーメイドのレーシックでは、350,000円を超えることも少なくありません。レーシックのリスクや費用と比較しても、ICLクリニックを受ける価値はあるでしょう。

ICL治療の準備にかかる費用

ICLの手術を受ける前に準備しておきたいものや、その費用を以下にまとめました。

【保護メガネ】
手術後に必要になるのが保護メガネです。前述のように、ICL手術では角膜を切開します。レーシックと比べると切開創が小さいですが、感染しやすいことに変わりありません。そのため、手術後しばらくは目に異物が入らないようにすること、目をこすらないようにすることが大切になります。起きているときだけでなく眠っているときも、目を守るために保護メガネを使用しましょう。

保護メガネは、通販サイトなどで1,000~6,000円程度で購入できます。普段使っているサングラスなどでも代用可能ですが、仕事をしている方は色つきでないほうが使いやすいでしょう。なお、ICL術後は視力が回復しているため、もともと使っていたメガネで代用することはできません。

【ドライシャンプー】
ICL術後、4日間程度は洗髪ができません。髪を洗えない期間が長くなってくると、ベタつきやニオイが気になるという方も多いでしょう。そんなときにおすすめなのが、洗い流し不要のドライシャンプーです。サッと吹きかけるだけで汗やニオイ、皮脂などを吸収して髪の状態を整えてくれます。

ドライシャンプーは、薬局や通販サイトなどで1,000~4,000円程度で入手可能。スプレー・ミスト・泡などさまざまなタイプがあるので、好みのものを選びましょう。

【メイク落としシート】
アイメイク・ベースメイク以外は、ICL手術の翌日から可能になります。しかし、術後4日程度は洗顔ができないため、洗い流す必要のないメイク落としシートがあると便利です。ただし、メイク落としシートは、摩擦で肌がヒリヒリしたり赤くなったりすることも。肌がデリケートな方は、肌にやさしい処方のものを選ぶとよいでしょう。

メイク落としシートは、ほとんどの商品が1,000円以内で購入可能です。

これらをすべて用意すると、ご紹介したICLの総額のほかに、3,000~10,000円程度の費用がかかります。

■ICLの総額などを知った上で受けるかどうか検討しよう

ICL治療と事前準備にかかるそれぞれの費用の総額をご紹介しました。メガネやコンタクトレンズから卒業したい方、レーシック・ICLのどちらを受けるか迷っている方は、メリットやデメリット、費用をトータルで考えて比較することが大切です。

渋谷眼科クリニックでは、デジタル技術を応用した安全性の高いICL手術を行っています。ICLを検討している方はぜひご相談ください。

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