ICLはいつ受けるのがいい?メリット・デメリットや術後の注意点も解説

出典:photoAC

視力を矯正する方法のひとつとして、「ICL」が注目を集めています。ICLとはどのような治療法なのか、年齢制限はあるのかなど、気になっている方も多いでしょう。そこで今回は、ICLの気になるポイントを解説していきます。ICLはいつ受けるのがいいのか、おすすめの時期や、メリット・デメリット、術後の注意点などもぜひ参考にしてください。ICLを検討中の方は、治療法についてよく理解しておきましょう。

■ICLはどんな治療法?

ICLとは、眼内に小さなレンズを移植することにより視力を矯正する治療法。別名「眼内コンタクトレンズ」ともいいます。ICLで移植したレンズは、日々のメンテナンスの必要がなく、長期間良好な視界を維持することが可能です。

また、ICLの手術はレーシックとは違い、角膜を削りません。レンズを眼内に移植するため3mmほど切開が必要ですが、小さい切開創のため縫合などはせず自然治癒するのが特徴です。

・ICLのメリット

ICLには次のようなメリットがあります。

・手術の適応範囲が広い

・日々のお手入れが不要

・小さい切開創で済むためドライアイのリスクが低い

・日帰りで施術可能

・眼に有害な紫外線をカット

ICLは角膜を削らずに済むため、角膜の厚さに関係なく手術を受けられます。また、施術時間は数十分のため、日帰りが可能。メガネやコンタクトレンズとは違い、日々のお手入れが不要な点も大きなポイントでしょう。さらに、ICLのレンズには白内障や眼の老化の原因となる有害な紫外線を吸収する効果が期待されます。このように、ICLはメリットが多い視力矯正方法です。

・ICLのデメリット

ICLのメリットが分かったところで、デメリットも見ていきましょう。

・手術のため、感染症や合併症のリスクがある

・自由診療で、クリニックによって費用が異なる

・術後は少々行動が制限される

・近視を予防する手術ではないため、術後新たに近視になる可能性がある

ICLは眼内の手術であり、目は細菌の増殖がしやすい環境であるため、感染症のリスクが伴いやすくなります。また、術後に炎症や眼圧上昇があるなど、合併症のリスクがあることもデメリットのひとつです。これらを防ぐためにも、術後の行動制限や注意事項を守る必要があります。

また、ICLの手術を受けて視力が回復した後も、「何時間もスマホを見ている」など生活習慣などによっては、新たに近視になる可能性があることが挙げられます。ICLは視力回復手術であり、近視の予防にはならないため注意しましょう。ICLを受けるためには、こうした点についてもきちんと理解しておくことが大切です。

・どんな人におすすめ?

ICLは、近視・遠視・乱視を矯正することができ、中には老眼にも対応しています。日々のお手入れをする必要がなく裸眼で過ごせるため、メガネやコンタクトレンズを使用せずに過ごしたい人におすすめです。また、手術の適応範囲が広いため、角膜の厚さによってレーシック手術ができなかった人も、ICL手術を受けられる可能性があります。

・眼の手術歴がある人はICLを受けられる?

過去に眼の手術を受けている人は、ICLの手術は受けられません。また、重篤な内科的疾患(糖尿病や膠原病など)のある人、妊娠・授乳中の人はICL手術を受けられないため、ご注意ください。そのほか、眼球が小さいなど手術が不可能と判断される場合も、ICL手術を受けられません。

■ICLはいつ受けるのがおすすめ?

出典:pixabay

ICLはメリットが多い治療法ですが、手術はいつ受けるのがいいのでしょうか?年齢制限がある理由や、おすすめの季節、気になるポイントを確認しておきましょう。

・年齢制限はある?

ICLの適応年齢は、日本眼科学会の「屈折矯正手術のガイドライン」では、18歳から老眼年齢まで。しかし、あまり若いと手術後に近視が進み視力が低下する可能性も考えられます。1年以上視力が変わっていなければ、ICL手術に適した時期といえるでしょう。ただし、実際に手術を受けることができる年齢はクリニックによって異なるため、事前に確認することをおすすめします。

・おすすめの季節はある?

ICLは、どの季節でも受けることが可能です。ただし、術後は眼に刺激を与えないよう、少々行動を制限する必要があります。そのため、たとえば、夏に海でダイビングなどをする予定がある人には、秋以降がおすすめです。また、花粉症の人は、アレルギー症状が出やすい時期はやめた方がいいでしょう。それぞれのライフスタイルに合わせて、ICLを受ける時期を検討することをおすすめします。

■ICLを受けるときの流れ

出典:pixabay

ICLを受けるときは、どのような流れで行うのでしょうか?ここからは、治療の流れを見ていきましょう。

・診察・検査・レンズを選定

診察や適応検査、術前検査をします。適応検査は「眼の病気はないか」「ICL手術に適応しているか」などを調べる検査です。また、術前検査ではさらに詳細な検査を行い、眼内に移植するレンズの度数を決めます。

・手術日を決定

移植するレンズが確保できたら、手術日を予約。その後は、手術日の数日前に、感染症チェックのための血液検査を行い、感染症予防のための点眼を開始します。

・手術

手術は点眼タイプの麻酔を使用し、切開した部分からレンズを入れて固定します。片眼の手術時間は数十分で終わるため、日帰りで行うことが可能です。

■ICL手術の後の過ごし方

出典:photoAC

ICLの手術後は、感染症や合併症の予防をすることが大切ですが、具体的にどのようなことに注意が必要なのでしょうか?ここで詳しく見ていきましょう。

・定期検診を受ける

術後の翌日、1週間後、1カ月後など、その後も定期的に検診を行います。術後の眼に異常がないか経過を観察するため、きちんと受けることが大切です。

・眼に刺激を与えない

術後すぐは傷口が塞がっていないため、目に刺激を与えないよう注意しなければなりません。では、次の項目で具体的に見てみましょう。

ICLの手術直後に控えること

ICLの手術直後に控えることは以下のとおりです。それぞれいつまで控えた方がいいのか、確認しておきましょう。

・運転…翌日の検診で医師と相談

・デスクワーク…術後2日目まで

・洗顔・シャンプー…術後4日目まで(4日目以降でも目元は濡らさないよう注意)

・アイメイク…術後1週間まで

・カラーコンタクトレンズ…術後1カ月後まで

・まつ毛パーマ・エクステ…術後1カ月後の検診で医師と相談

このように、ICLの手術後は眼が受けるさまざまな刺激に注意が必要です。また、術後すぐは視力が安定せず、ぼやけて見える場合があります。そのため、特に運転は自己判断で行わず、医師に相談するようにしましょう。

保護メガネの着用がおすすめ

ICLの術後に眼を守るよう、保護メガネを着用することもおすすめです。保護メガネは、眼に異物が入ることや、就寝時に眼を擦ってしまうことを防ぐことができます。中には、花粉をガードするものや、UVカット機能が付いたものもあり、気になる刺激から眼を守ることが可能です。

・処方薬を服用する

ICLの術後は、主に眼の炎症を抑えるために点眼薬などが処方されます。医師の指示を守り、正しく薬を服用するようにしましょう。

■ICL手術の後はすぐに見えるようになる?

出典:photoAC

ICLの術後、視力の回復には個人差がありますが、数日から1週間ほどで見えるようになっていきます。さらに、視力が安定するまでにかかる期間は約1ヶ月ほどです。

・ICLの手術後に現れる主な症状

ICLの術後には、特徴的な症状が現れることがあります。次のような症状が現れることを認識しておきましょう。

視力の変動

視力の変動は、術後の眼の炎症により、ぼんやりと見えにくくなる症状です。時間の経過とともに炎症はなくなっていき、視力も少しずつ安定していきます。

ハロー・グレア

暗いところで光を見たときに、眩しく感じたり光が輪のように見えたりします。通常は徐々に症状が落ち着きますが、1ヶ月ほど経ってもこの症状を感じる場合は、医師にご相談ください。

充血・かすみ・異物感

手術直後は、充血や眼のかすみ、異物感を覚えることがあります。これらの症状は、傷口が治癒し炎症がおさまることにより自然に改善していくため、回復を待ちましょう。

■ICLで移植したレンズは取り出せる?

出典:photoAC

ICLを受けた後、不具合があった万が一の場合には、移植したレンズを取り出すことが可能です。ICLの手術では角膜を削ることはしないため、レンズを取り出した場合はもとの眼の状態に戻せます。ただし、再手術をすることになるため、慎重に判断をした方がいいでしょう。

■ICLを受けるときは術後の過ごし方も考えて検討しよう

ICLは、治療の内容、メリットやデメリットをよく理解したうえで受けることが大切です。特に術後は、目に刺激を与えないよう少々行動を制限されることもあります。そのため、自分のライフスタイルに合わせて、適切な時期に手術を受けることがおすすめです。

渋谷眼科クリニックでは、一般眼科診療やコンタクトレンズ処方、ICL手術を行っています。眼の疾患や視力矯正について気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

一覧へ戻る