ICLの術後は保護メガネが必須?!日常生活の注意点も解説

ICL(眼内レンズ)の手術を行った場合、その後のケアはどのように行えばよいのでしょうか。特に術後すぐは、感染症などのトラブルを起こさないように気を付けなければなりません。そこでこの記事では、ICL手術を受けた後の日常生活の注意点について、詳しく解説していきます。また、術後に着用する保護メガネについても紹介しますので、ICLの手術を考えている方はぜひ参考にしてください。

■ICLの手術とは?方法と当日の流れ

まずは、ICLとはどんな手術なのか、また、手術がどのように行われるのかについて説明しましょう。

・ICLとはどんな視力回復法?

ICLとは、眼の中に小さなレンズを挿入することで近視や遠視、乱視を矯正し裸眼での視力回復を目指す手術です。

レーシックとは違って、角膜を削らないので強度近視や乱視の人、角膜が薄い人にも適用できます。また、眼の病気を発症したり、見え方に不満が出てきたりしたときには、眼の中のレンズを取り出せばいつでも手術前の状態に戻すことが可能です。

眼の中に挿入したレンズは、ケアをしたり定期的に交換したりする必要がなく、長期的に良好な視力を得ることができるとされています。

ICLは、安全性と有効性の高さから、厚生労働省の認可を受けている視力矯正方法なのです。

・ICL手術の流れ

ICLの手術を希望する場合、まずはカウンセリングと適応検査でICLの手術が可能かどうかをチェックします。

検査の結果、手術適応となれば術前検査に進むことが可能。術前検査は日を変えて合計3回実施します。

検査結果をもとにICLのレンズの度数やレンズの大きさを決定。レンズを注文してからおよそ3~8週間後に届きます。

レンズが届けば、いよいよ手術です。

手術は瞳孔を広げて点眼麻酔をしたうえで行います。

麻酔が効いてきたら角膜のフチを3mm程度切開し、レンズを挿入。レンズを虹彩と水晶体の間に固定させて、瞳孔を縮小させれば手術終了です。

しばらく休憩した後、異常がなければ帰宅できます。

手術の所要時間は両眼でおよそ30分。日帰り手術が可能なので、入院の必要はありません。

手術後は、翌日、3日後、1週間後、2週間後、1ヵ月後、半年後、1年後といったように定期検診を行い、経過を観察します。定期検診の頻度は術後の経過に応じて変わることもあるようです。

■ICL手術後は保護メガネで目を守る

ICLの手術を受けた後は、保護メガネを着用する必要があります。ここでは、保護メガネとはいったいそのようなものなのか、またいつまで着用する必要があるのかを紹介します。

・保護メガネとは

保護メガネは、手術後の眼の傷口に、ゴミや細菌などが侵入するのを防ぐ眼鏡です。また、無意識に眼に触れたり、眼をこすったりするのを防いでくれる役割も果たします。保護メガネは市販ものもたくさんありますが、術後の経過や見え方に個人差があるので、医師と相談して、自分の眼に最も適した眼鏡を選ぶことが大切です。

・保護メガネを使用する期間は?

保護メガネは、感染症にかかりやすい術後4週間は着用することが推奨されています。特に、術後1週間は、寝ているうちに目元に触れないように、保護メガネを着用して、仰向けで寝るようにすれば安心でしょう。

保護メガネの着用をやめるタイミングは、術後の経過や日常生活の過ごし方によって異なりますので、主治医に相談するようにしてくださいね。

保護メガネは、ゴーグルのようなデザインのものをはじめ、サングラスタイプのもの、保護フードが目立たず普通の眼鏡のように見えるものなど、さまざまなタイプがあります。また、紫外線から目を守るUVカット機能付きや、花粉をガードしてくれるものなど、機能性が充実している眼鏡もあるようです。

保護力が高く気に入ったデザインのものが見つかれば、保護メガネを四六時中着けておかなければならないというわずらわしさも、多少は軽減されるのではないでしょうか。

■ICLの術後の生活で気を付けること

保護メガネの着用以外にも、ICLの術後は気を付けなければいけないことがいくつかあります。それぞれ詳しく解説していきましょう。

・術後の日常生活の注意点

ICLの手術後、以下の行動は可能な日数を満たすまで控えましょう。

・車の運転…当日は厳禁。翌日検診で医師と相談

・デスクワーク…術後2日目以降から可能

・スキンケア…目の周りを避けたスキンケアは当日からOK

・洗髪・洗顔…肩から下のシャワーは当日から、洗髪・洗顔は術後4日目から

・メイク…アイメイクおよびベースメイク以外は翌日検診後、アイメイク・ベースメイクは術後1週間が経過してから

・屋外作業・重労働を伴う仕事…医師と要相談

・コンタクトレンズ(カラコン含む)…術後1ヵ月経過してから装用可能

・まつ毛パーマ・まつ毛エクステ…術後1ヵ月検診で医師が問題ないと判断してから

これらの可能になるタイミングはあくまでも目安です。手術後の経過によってはタイミングが前後する可能性があるため、必ず医師に相談しましょう。

手術後の眼は感染症が起こりやすくなっている状態です。

そのため、目元に刺激を与えないように細心の注意を払わなければいけません。もとどおりの生活に戻るまでは、およそ1ヵ月かかると思っておきましょう。

・検診は必ず受けること

手術の翌日は、必ず医師の診察を受けるようにしましょう。

前述したとおり、翌日検診以降も1週間後、1ヵ月後…と検診は続きます。眼の状態によっては、診察が追加になる場合もあります。特に術後1週間以内は、何度か受診するように指示される場合もあるかもしれません。受診の指示に対応できるようスケジュールを空けておくと安心です。また、1年後以降も、年に1回は必ず定期検診を受けるようにしましょう。

・目薬・内服薬は医師の指示どおりに使用する

手術を受けた後は、消炎剤や抗菌剤の目薬や痛み止めの内服薬が処方されます。医師の指示どおりに点眼をしないと、手術後に眼が炎症を起こしてしまう恐れも。炎症によって視力回復に影響を及ぼしてしまう可能性もあります。「よく見えるようになったから」と言って自己判断で目薬を中止するのは厳禁です。

手術後の眼の経過には個人差があるため、必ず診察を受けて医師の指示を仰ぐようにしてくださいね。

術後、眼の状態が安定すれば市販の目薬を点眼することも可能です。しかし、市販の点眼剤の中には血管収縮剤や防腐剤が含まれているものも少なくありません。中にはICL手術を受けた眼にはおすすめできないものもあるので、使用する前には必ず医師に相談するようにしましょう。

・これまで持っていたメガネはどうすればいい?

ICLの手術を受けると、裸眼でもよく見えるようになるので、これまで使用していたメガネは不要になります。デザインがおしゃれなお気に入りの眼鏡なら、レンズを抜いてフレームのみの伊達メガネにしたり、度なしのレンズに交換してもらったりすると良いでしょう。

また、カラーレンズに交換してサングラスとして使用してもよいかもしれません。

「フレームがお気に入りだから、おしゃれ用として活用したい」と思っている方は、レンズ交換を行っている眼鏡店もたくさんあるので、購入した店舗に相談してみてください。

■術後の注意点をしっかり守ることが大切

ICLの手術を受けた後は感染症を起こしやすくなっています。注意点をしっかり守らないと、視力の回復が遅れたり、思ったように視力が上がらなかったりする恐れも。そうならないためにも、保護メガネを着用して細菌やホコリから目を守るなどして気を付けましょう。術後1ヵ月程度は生活に制限があるので、少し不便に感じるかもしれませんが、これを乗り越えれば裸眼でもよく見える生活が待っていますよ。

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