ICLの術後の過ごし方が知りたい!洗顔、洗髪はいつからOK?

ICL(眼内レンズ)の手術を受けた後、日常生活にどのような制限があるのか、また、制限の期間はどれくらいなのか、気になっている人も多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、ICL手術後の過ごし方や注意点をまとめました。ICL手術を控えている人や、これからICL手術を受けようか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。

■ICLの概要とメリット・デメリット

まずは、ICL(眼内レンズ)とはいったいどんなものなのかを解説するとともに、ICLのメリット及び注意点を紹介しましょう。

・ICLとはどんな矯正方法?

ICLとは、眼の中に小さくて柔らかいコンタクトレンズのようなレンズを入れて近視や遠視、乱視を矯正する手術です。

眼の中にレンズを挿入するため、ゴロゴロする感じや異物感もなく、一度挿入すると、長期的に良好な視力を得ることができます。

・ICLのメリットは?

主なメリット5つをご紹介します。

強度近視の人にも対応可能

ICLは度数の幅が広いので、レーシック手術では対応不可な強度近視・乱視の人にも適応できます。また、角膜をけずるのではなく、眼の中に小さなレンズを入れて矯正するので、角膜が薄い人でも手術が受けられるのです。

いつでも元の見え方に戻せる

もし手術後に白内障や緑内障などの病気になったとしても、眼の中のレンズを取り出すことによって元の状態へと戻すことができます。

レンズを取り出すことによって、治療の選択肢も広がるというわけです。また、施術後に度数が変わって見えづらくなっても、レンズを交換すれば再び快適な見え方を取り戻すことができます。

見え方の質が良い

レーシックの場合は角膜をけずって視力を矯正するので、角膜にわずかなゆがみが出てしまう可能性があります。

その点、ICLは眼の中にレンズを挿入して視力を矯正するので、角膜にゆがみが生じずクリアで鮮やかな見え方を実現することが可能です。

また、レンズは交換の必要がないので、長期的に良好な見え方を維持することができます。

ケアの必要がない

連続して装用するコンタクトレンズの場合、毎日洗浄・消毒しなければいけません。洗浄、消毒を怠ると目の病気や障害が発生するリスクがあります。

その点においても、ICLは面倒なケアの必要がないので、お風呂前や朝の準備がグンと楽になるでしょう。

近視の戻りが少ない

近視の人がレーシック手術を受けた場合、術後数年経過すると視力が元の状態に戻ってしまう可能性があります。これが「近視の戻り」です。

ICLは、近視の戻りが少ないので、長期に渡って術後と同じ見え方を維持することができます。

・ICLのデメリット

続いて、ICLを受ける際の注意点を見ていきましょう。

自由診療のため費用がかかる

ICLは公的保険の適用外なので、費用は全額自己負担です。そのため、経済的負担が大きいというデメリットがあります。ただし、確定申告をすれば医療控除を受けられる場合があり、加入している生命保険によっては給付金の対象となる場合もあるようです。

手術までに時間がかかる場合も

ICLは、検査結果に基づき一人ひとりオーダーレンズを用いて手術を行います。そのため、もし該当レンズの在庫が国内にない場合には、手術を受けるまでに1ヵ月~3ヵ月程度かかることもあるようです。手術を受ける場合は、余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

■ICLの手術方法と手術に要する時間は?

続いて、ICLの手術方法について順を追って解説していきます。

点眼麻酔をする

まず、開瞼器(かいけんき)と呼ばれる機械で目を大きく開けます。その後、眼の消毒を行って点眼麻酔をします。

切開をしてレンズ挿入

麻酔が効いてきたら、角膜のふちを約3mm程度切開しレンズを挿入します。その後、レンズを「虹彩」と「水晶体」の間にしっかりと固定します。

問題がなければ終了

瞳孔を収縮させれば手術は終了です。その後院内でしばらく様子を見て、術後検査で異常が見られなければ帰宅できます。手術の時間はおよそ30分程度。入院の必要はなく、日帰りで手術を受けることができます。

■ICLの手術を受けた後の過ごし方は?

ICLの手術後は、まだ傷が完全にふさがっていないため細菌などに感染しやすくなっています。そのため、一定期間は医師の指示をしっかり守って過ごさなければなりません。ここでは、ICL手術後の主な注意点を紹介します。

・当日はデスクワークや車の運転はNG

デスクワークが可能になるのは、術後2日からです。当日及び翌日は、パソコンの仕事や細かい文字を見る作業は控えてください。屋外作業や体力を必要とする仕事は、復帰のタイミングを医師と相談しておきましょう。

車の運転は、手術翌日の検診で医師と相談して決めます。手術当日は車の運転はNGなので、車で来院しないことを覚えておきましょう。手術後は、視力が安定するまで時間がかかる場合があります。特に夜間は視界がぼやけやすいので、自己判断で運転を再開しないようにしましょう。

・肩から下のシャワーは当日からOK

入浴や洗顔や洗髪はそれぞれ可能になるタイミングが異なります。

肩から下のシャワーは手術当日からOKですが、洗顔及び洗髪は術後4日目まではNGです。洗顔ができない間は、濡れタオルなどで顔を拭くと良いでしょう。この際、目元は濡らさないように気を付けてください。

また、洗髪や洗顔、シャワーなどがOKになっても、目元だけは濡らさないように気を付けましょう。

・スキンケア・メイクは?

スキンケアは、目の周りを避ければ当日から可能です。また、チークやリップなど、ベースメイク・目の周りのメイク以外も当日からOK。ただし、眼の中に化粧水や乳液などの異物が入らないよう気を付けましょう。アイメイク・ベースメイクは術後1週間たってから可能になります。

・コンタクトやまつ毛エクステは1ヵ月後から

カラーコンタクトレンズを含むコンタクトレンズや、まつ毛パーマ・まつ毛エクステは、術後1ヵ月の検診で問題がなければ可能です。

・検診は必ず受ける

ICLは、手術を受けた後も眼の経過の観察が必要です。たとえ、ぼやける・異物感があるなどの自覚症状がなくても、定期検査は必ず受けるようにしましょう。

当面の間は、手術翌日・術後1ヵ月・術後3ヵ月、と頻繁に検査を受けなければいけませんが、眼の状態が安定すれば検査のスパンは長くなります。ただし、途中で眼の疾患等が見つかった場合は、別途通院指示が出る可能性もあります。

術後1年たってからも、緑内障などの眼疾患が発症していないかどうかをチェックするために、年に1回は検診を受けるようにしましょう。

・保護用のメガネを活用する

術後、無意識に目をかいたりこすったりしてしまわないように、保護メガネを活用しましょう。保護メガネをかけておけば、外出時に眼の中に異物が入ってしまうのを防いでくれるだけでなく、就寝中に目元をこするのを防止する役割もしてくれます。

保護メガネは、紫外線をカットするものや花粉をガードするものまでさまざまなタイプがあります。

感染症にかかりやすい4週間程度は、保護メガネを直用しておきましょう。また、術後1週間程度は、就寝時も着用してあおむけで寝るようにしてください。

保護メガネをいつまで着用するかは、眼の状態によって一人ひとり異なるので、自己判断ではなく医師に相談することが大切です。

保護メガネは、ゴーグルタイプ以外にもサングラスタイプや保護フードが目立ちにくいタイプなど、さまざまなデザインがあります。お気に入りのデザインのものを選ぶとよいでしょう。

■術後の注意点を守って快適な視力を維持しよう

ICLで快適な見え方を維持するためには、手術を受けた後の過ごし方も重要です。見え方や目の状態に違和感がないからといって自己判断で生活するのではなく、必ず医師の指示を仰ぐようにしてくださいね。

一覧へ戻る