ICLには年齢制限がある?その理由とは何かを解説

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今話題のICLには年齢制限があるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、ICLの適応年齢ならびに、そのほかの近視矯正法の適応年齢をご紹介!同時に、なぜ年齢制限が設けられているのかの理由も、詳しく解説していきます。「自分の年齢ではICLはできるのかな?」と疑問に思っている方は、是非参考にしてください。

■ICLとは?どんな手術なの?

まずは、ICLの基礎知識について解説していきます。

・ICLは視力回復を目指す手術!

ICLは、眼の中にソフトコンタクトレンズ用の小さな柔らかいレンズを挿入して、遠視や近視・乱視を矯正し視力回復を目指す手術です。その安全性と有効性の高さから、厚生労働省の認可も受けているICLは、注目を集めている視力矯正法となっています。

・ICLのメリットとは

ICLはレーシックと違い、角膜を削ることなく視力を矯正します。そのため、角膜のわずかな歪みが起こることがなく、クリアで鮮明な視界の確保も可能です。
一度眼の中に入れたレンズは面倒な毎日のお手入れやレンズ交換の必要がありません。一度手術を受ければ、長期的に良好な視力を保つことができるのです。

さらに、レンズはいつでも取り出せるという点も、ICLの大きなメリットのひとつ。例えばICLの手術を受けた後に白内障になったとしても、レンズを取り出せば手術前の状態に戻せるため、白内障手術を受けることができます。
また、手術後に視力が低下してもレンズの度数を調整することで、再び良好な視力を取り戻すことができるのです。

・ICLのデメリットは?

ICLは公的保険の対象外なので、費用は全額自己負担となり、費用の負担が大きくなってしまうデメリットはあります。しかし、ICLは医療費控除の対象であるため、確定申告をすれば控除を受けられる可能性があるのです。加入している生命保険によっては、給付金がもらえる場合もあるでしょう。

また、ICLのレンズはオーダーメイドであることから、国内に適応するレンズがない場合は、レンズが届くまでに時間がかかるというデメリットもあります。ICLの手術を希望する場合は、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

・ICLの手術方法の流れ

ICLの手術は、両眼約30分程度で終了します。入院の必要はなく、日帰り手術が可能です。

手術はまず、散瞳剤を点眼して瞳孔を開き、その後点眼麻酔を行います。麻酔が効いたら黒目と白目の境目に、3mm程度の小さな創口を作り、創口から折りたたんだレンズを挿入。虹彩と水晶体の間に固定すれば手術は終了です。創口は自然に閉じるので、縫合する必要はありません。

■ICLには年齢制限がある?そのほかの適応条件は?

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ここでは、ICLの適応年齢や適応条件について詳しく見ていきましょう。

・ICLの年齢制限

ICLは18歳以上から受けることができます。18歳以下の成長期の子供は、近視が変動しやすい時期です。それに加えて、子供の見え方は体調やメンタル、環境の変化の影響を受けることも大きく、視力が安定しない場合も…。18歳以下は術後に近視が進行したり、度数が変動したりする可能性が高いため、ICLはやめた方がいい、と考えられているのです。

年齢の上限は設けられていません。しかし、老眼がある場合は、見え方や度数調整などについて、医師と相談しながら慎重に進めていくようにしましょう。また、糖尿病の人や白内障の人はICLの手術を受けられない可能性もあります。高齢の人ほど糖尿病、白内障のリスクが高まるため、注意が必要です。

ICLでは老眼を治療することができないので、40代後半~50代の人が施術を受ける場合も注意しましょう。一般的に老眼を自覚しはじめるのは45歳以上であることが多いのではないでしょうか。
老眼を自覚してからICLを受けると、手元のピント合わせがうまくいかなくなり、近くが見えにくくなる可能性があります。つまり、遠くは眼鏡が必要ではないけれど、代わりに近くを見るために眼鏡が必要になった、という可能性もあるのです。
ICLの治療の満足度の限界を事前にしっかりと理解しておくことが、「失敗しました…」とならないICL治療のポイント、といえるでしょう。

・年齢以外の適応条件は?

ICLには、年齢以外にもさまざまな適応条件があります。具体的には以下の通りです。

・妊娠中もしくは授乳中ではないこと
・重篤な眼の疾患・全身症状がないこと
・近視の度数が-3.00D~-18.00Dの範囲内であること
・屈折度数の変動が少なく、安定していること

これらの条件が揃わないとICLの手術が受けられない可能性が高いので、注意しましょう。また、手術前の適応検査の結果によっては、適応不可とされる場合もあります。ICLの手術が適応かどうか気になる人は、カウンセリングで医師に相談してみるとよいでしょう。

■そのほかの視力矯正法の年齢制限は?

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ICL以外の視力矯正法にも、年齢制限が設けられています。それぞれ詳しく解説しましょう。

・レーシックの年齢制限

レーシックとは?手術方法は?

「視力矯正の手術」といえば、レーシックを思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。レーシックとは、眼の表面の角膜をレーザーで削って角膜の形状を変化させることで、近視や遠視、乱視を矯正する手術です。
レーザーで角膜を削る前に、角膜の表面に「フラップ」と呼ばれる蓋のようなものを作ります。手術の後にフラップで角膜を保護するので、痛みが少なく、傷の回復も早くなるのが特徴です。レーシックにはさまざまな種類があり、クリニックによって採用しているレーシックは異なります。

レーシックの適応年齢は?

レーシックには法的に何歳まで、と定められた年齢制限はありません。しかし、多くのクリニックが18~20歳以上から60~65歳まで、としています。
レーシックが18歳以上とされている理由は、ICLと同じく、手術後に視力が変動したり、近視が進んだりする可能性が高いためです。レーシックは角膜を削る手術なので、「視力が低下したから」と再手術を希望しても、角膜の厚さが足りずに不適応となる可能性があります。そのため、成長期でのレーシックは推奨されていないのです。

また、60歳以上になると、白内障を発症する確率が高くなります。白内障の治療は、濁っている水晶体を取り除き、代わりに眼内レンズを挿入する手術が必要です。眼内レンズは、手術前の検査結果をもとに、一人ひとりの度数にあったものを使用します。しかし、レーシックを受けている場合、角膜の形状が変化しているため正確に計測するのが難しく、レンズの度数にずれが生じてしまう可能性があるのです。そのため、60歳以上には推奨されていません。

・オルソケラトロジーの年齢制限

オルソケラトロジーとは

オルソケラトロジーは、睡眠中、特殊なコンタクトレンズを装用して角膜の形状を正しく矯正し、近視を矯正する方法です。ICLやレーシックが手術を用いた治療法であるのに対し、オルソケラトロジーは手術をしない矯正法。基本的には軽度から中等度の近視に有効、とされており、子供が治療を受けることで近視の抑制効果が期待できます。

オルソケラトロジーの適応年齢は?

オルソケラトロジーの年齢制限は6~65歳くらいまでが一般的です。子供が受ける場合は、保護者がしっかりとレンズのケアをする必要があります。子供は角膜の表面が柔らかく、睡眠時間も長いので、大人よりも効果が出やすい、とされているのです。
45歳以上の人がオルソケラトロジーを行うことによって、手元が見えづらくなる可能性も。大人の場合は、すでに近視が進行してしまっているので、オルソケラトロジーによる近視抑制効果は期待できないでしょう。

■ICLは適応年齢の幅が広い視力矯正法!

ICLは、一度受けると長期的に良好な視力が期待できる視力回復法です。近視を根本的に直したい、これからは裸眼でよく見える生活が送りたい、という方はICLがおすすめ。しかし、事前に手術適応かどうかは、しっかりと確認しておきましょう。渋谷眼科クリックでも、ICLの相談を受けています。自分が適応かどうかを知りたい、という方は、ぜひご相談ください。

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