ICLってどんな治療?費用やレーシックとの違いとは

「コンタクトやメガネから解放されたい……」という方からも、近年選ばれているICL治療。目の中に直接レンズを入れることから「眼内コンタクトレンズ」とも呼ばれており、日々の手入れ楽にしてくれる視力矯正方法として注目されています。この記事では、ICLはどんな治療方法なのか、またレーシックとの違いなどについても解説しています。

■ICLってどんな治療?

ICLとは、角膜を削らずに、目の中に直接レンズを入れる視力矯正治療のこと。

これまで白内障の手術で一般的に用いられてきた治療法を、近視や乱視の矯正へと発展させた手法です。目の中にレンズを入れる特徴から「眼内コンタクトレンズ」とも呼ばれています。

この「目の中に直接レンズを入れる」ことに、怖さを感じる方もいらっしゃいますが、実は体への負担は少ないのが特徴です。手術も数十分ほどで完了し、小さな切開創で済むため、手術後の抜糸なども必要ありません。日帰り手術が基本のため、仕事や家事、学業などに忙しい方でも受けやすい視力矯正方法です。

■ICLの特徴にはどんな特徴がある?

ICLの特徴は次のとおりです。

1. 毎日のお手入れが不要になる

2. 1度入れたレンズでも、違和感があれば取り出せる

3. ドライアイになりにくい治療法

4. レンズラインナップが豊富

5. 日帰りで施術可能

6. 紫外線をカットしてくれる効果もある

コンタクトレンズを使っていると、毎日の手入れが欠かせませんが、ICLならばこうした手間がかかりません。また、近視の戻りも少ないため、手術後何年経っても見え方が維持されます。一方で、違和感があればレンズを取り外すことができるため、不具合を感じた場合も安心です。

■ICLの手術方法とは

渋谷眼科クリニックでは、次の3つのステップでICLの手術を行っています。

【STEP.1】

瞳孔を拡大させ、点眼タイプの麻酔をさし、前房内に局所麻酔。3mmほど、角膜輪部を切開します。

【STEP.2】

切開した箇所から、眼内にレンズを入れます。

【STEP.3】

目の中にある「虹彩」と「水晶体」の間でレンズを固定し、手術は完了です。

なお当院では、これらの手術をより正確に行うために先進機器を導入し、ほとんどを機械で精密に行える体制を整えています。そのため、人が行う施術よりもブレが少なく、眼球が動いたときなどへの対応もスムーズです。経験や技術力に左右されることなく、安定したICL治療が行える環境がそろっています。

また、安全性を追求するため、デジタル技術を医療に応用させた「Verionイメージガイドシステム」を導入。このシステムにより、検査データをもとに立案した手術計画を、顕微鏡下で正確に反映させることが可能となりました。目の形や視力など、一人ひとり異なる条件であっても、よりその方にフィットした手術が行えます。

こうした先進機器を積極的に導入することで、ICL手術の懸念点である費用をできるだけ抑えながらも、安全性を確保する体制を維持しています。

■ICLの5つのメリット

ICLには、次のようなメリットがあります。

1.強度近視や乱視の方でも矯正可能

ICLは、適応する方が多いことが特徴です。角膜を削って視力矯正を行う「レーシック」では対応できない、強度近視や乱視、角膜が薄い方でも治療が受けられます。また、強度近視の方がレーシック手術を受けると、手術後数年で「近視の戻り」が起こる可能性も否めません。その点、ICLは近視の戻りが起こる可能性が低いため、よい視力を維持しやすいでしょう。

2.「見え方の質」が高い

ICLは、手術後の見え方が鮮明でクリアです。これはレーシックのように、角膜を削ることで引き起こされるわずかな歪みが生じにくいため。眼内レンズを入れた後も、自然で良好な視界が実感できます。また、レンズを定期的に交換する必要もなく、長期間安定した視力を保つことが可能です。

3.手術後のリスクが少ない

ICL手術は、厚生労働省からも認められている、安全性が高い視力矯正方法です。レンズを挿入するための切開創も3mm程度と、自然治癒が望めるほどしか切開しません。角膜を削らないため、手術後にドライアイが気になることも少ないでしょう。

4.コンタクトやメガネをつける必要がなくなる

ICL手術を希望する方の中には、「コンタクトやメガネから解放されたい」という声も少なくありません。どちらも使いやすいアイテムではありますが、つけ外しや日々の手入れに煩わしさを感じている方も多いでしょう。ICLであれば、裸眼の状態で、朝起きたときから良好な視界が手に入ります。

5.もとの状態に戻すことができる

ICLは、1度入れてしまえば長期間良好な視力を維持できます。一方で、不具合があったときには「ほぼもとの状態に戻せる」安心感があります。もし手術後に白内障になってしまったとしても、レンズを取り外せば、白内障手術も可能です。年齢を重ねる中で、近視や乱視が進んだ場合でも、レンズの度数を調整できるため、いくつになっても見えやすい視力を維持できます。

■ICLの2つのデメリット

快適な生活を送るうえでメリットの多いICLですが、手術後に後悔しないため、次の注意点も知っておきましょう。

1.手術までに時間がかかることも

ICL手術で使うレンズは、一人ひとりの目に合わせたものが選ばれます。レンズによっては、国内に在庫がないことがあるため、手術までに時間がかかる可能性があります。そのため、ICL手術を受けたいときには、できるだけ余裕をもってスケジュールを組むと安心です。

2.保険適用外のため自己負担額が大きい

ICL手術は、保険適用外の治療法です。全額が自己負担となるため、どうしても費用が高くなりやすい点はデメリットといえるでしょう。ただし、確定申告をすると、医療費控除が受けられ還付金を得られる可能性があります。また、生命保険の種類によっては、給付金が支給されるケースも。生命保険に加入している方は、契約している企業に問い合わせてみるとよいでしょう。

レーシックとICLはどっちがいい?

レーシックとICLは、どちらも視力を矯正するための手術です。

そのため、「視力矯正手術を受けたい」という方であれば、どちらがよいか迷う方も多いのではないでしょうか。

この2つの大きな違いは、「角膜を削るか、削らないか」です。

レーシックの場合は角膜を削ることで視力の矯正を図り、ICLは角膜を削らずに視力矯正を図ります。どちらも日帰り手術が可能で、費用は2つとも保険適用外です。ただし、レーシックの相場のほうが、やや安価な傾向にあります。

【それぞれの相場】

レーシック手術費用:25~40万円

ICL手術費用:45万円~100万円

※どちらの手術も、乱視の場合は追加費用あり

また、どちらも安全性が確保されている手術です。

しかし、レーシックは角膜を削るため、手術後にもとの状態には戻せません。一方、ICLは手術後であっても状態に応じてレンズを取り外せるため、見え方に違和感があった場合でもほぼもとの状態に戻すことが可能です。

このような違いはありますが、レーシックもICLも、近視や乱視の視力矯正ができる治療法です。そのため、それぞれの治療法をよく理解したうえで、選ぶことが大切。迷ったときには、医療機関に相談してみましょう。

■ICL手術をやめた方がいい人はいる?

インターネット上で意見交換ができる知恵袋などでICLについて調べていくと「やめた方がいい」「失敗しました」などの声を見かけることがあります。そのため、「ICL治療に二の足を踏んでしまった」という方もいるかもしれません。

こうした意見がある理由としては、クリニックごとに異なる手術設備や環境などの要因が関係している可能性があります。

そのため、一概にすべてのICL手術をやめるべき、という意見ではないことを考慮していただきたい思います。また、ICL手術は、先進機器を用いてより正確性や安全性を高めていくことが可能です。ICL手術を行う場合は、多方面から安全性を追求しているクリニックを選ぶことも大切です。

■ICLの手術方法にも注目を!安全性が高いクリニック選びが大切

ICLは、角膜を削ることなく、眼内にレンズを入れることで視力矯正を行う治療法。レーシック手術と目的は同じですが、角膜を削るかどうか、また手術後にもとの状態に戻せるかが大きな違いです。どちらも安全性が確保されている手術ですので、自分に合ったクリニックを選ぶことで、不安を少しでも軽減させていきましょう。

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