赤ちゃんの視力はどれくらい?見え方が安定するのは何歳になってから?

生まれてすぐの赤ちゃんって、どれくらいの視力なんだろう?と疑問に思ったことはありませんか。中には、「赤ちゃんと目が合わないんだけど、もしかして見えてないのかも」と心配しているママもいるのではないでしょうか。また、視力は何歳くらいで安定するのか、親の視力が子供の見え方にどれくらい影響するのか、気になっている方も多いはず。そこでこの記事では、「赤ちゃんと視力」について詳しく解説するとともに、大切な視力を守るポイントについてご紹介しましょう。

■赤ちゃんの視力ってどれくらい?

赤ちゃんの眼は、生まれた直後からある程度の機能は発達しており、光を感じることができます。しかし、新生児の視力は、およそ0.01~0.02で、ほとんど見えていない、と言われています。また、生まれてすぐの赤ちゃんの眼は、色を識別することも難しく、わかるのは「白・黒・グレー」の3色のみです。

これは、暗いお腹の中から突然明るい世界に出てきたときに、光の刺激によって眼や脳にダメージを受けないようにするためではないか、と言われています。

赤ちゃんの視力は、月齢と共に発達していきます。発達には個人差がありますが、一般的には、生後3~4ヶ月で0.04~0.08程度になります。

この頃から、動いているものを眼で追いかけたり、気になるものをじっと見つめたりするようになります。

また、赤・黄・青といった色が識別できるようになるのもこの頃。「いないないばぁ」や、カラフルな色彩のおもちゃなどで遊べるようになってきます。パパやママが赤ちゃんと「目が合った」と認識できるのも、これくらいの時期からでしょう。

生後6~8、9ヶ月にもなると、視力は0.1程度になり、奥行や距離が掴めるようになるでしょう。視力が発達するこの時期には、人の顔の区別がつくようになるので、人見知りもはじまります。

1歳頃には、視力が0.2~0.3弱まで発達。ピントがしっかり合わせられるようになると言われています。2歳になると視力は0.5~0.6くらいにあがり、立体感や遠近感が掴めるようになるでしょう。このくらいの年齢で初めて「ものを見る」という行為が確立してくるのです。

3歳くらいには視力は0.8~1.0程度になります。そうして小学校入学前の6~7歳頃になると、両目でものをしっかりと見る機能が完成するのです。

■子供の視力は親の遺伝って本当?

「視力は親の遺伝だ」という話を耳にしたことはありませんか?確かに、視力の下がる要因のひとつとして、親の遺伝が挙げられます。特に、「軸性近視」と呼ばれる近視は遺伝的要素が大きい、とされています。

眼はよくカメラにたとえられます。眼の中でカメラのレンズに当たる部分が「角膜・水晶体」です。フィルムの役割をするのが「網膜」と呼ばれる部分です。

しかし、何らかの原因で、網膜よりも手前でピントが調節されてしまうと、映像がフィルムに届かない状態になるので、遠くのものがぼやけて見えてしまいます。これが「近視」です。

近視には、前述した「軸性近視」と「調節性近視」の2種類があります。このうちの「軸性近視」は、眼のピント調節能力以上に眼軸と呼ばれる眼の奥行が長くなってしまうことで、映像が網膜に達することができないことが原因で起こります。そして、この「眼軸」の長さは遺伝によるものが大きいので、軸性近視は親の遺伝の可能性が高いと言われているのです。 実は、両親とも近視でない子供に比べると、父親か母親のいずれかが近視の子供は2倍、両親ともに近視の子供は5倍の確率で近視になりやすいと言われています。

しかし、近視の原因は何も遺伝だけではありません。環境要因も近視の主な原因のひとつであると言われています。

スマホやタブレットなど手元を見る時間が増えたり、屋内でばかり過ごしたりすると、眼のピントが近くにあっている状態が長く続きます。すると、眼はその環境に順応しようとして、屈折力が手元よりに変わったり眼軸が長くなったりするのです。その結果、近視になってしまいます。 近年、日本だけでなく、世界各国で小・中学生の近視が増加傾向にあります。はっきりとした原因はいまだ不明ですが、パソコンやスマートフォン、ゲームなどの普及が大きな要因のひとつなのではないかと言われています。

つまり、近視の原因は、はっきりとは特定されていませんが、「遺伝的要因」と「環境要因」、このふたつが大きく関与している可能性が高いと考えられているのです。

■赤ちゃんの視力を守るために

前述したとおり、赤ちゃんはほぼ何も見えていない状態から、段々と視力が発達してものが見えるようになってきます。そのため、赤ちゃんの時期にしっかりと眼を守ってあげることが大切です。

・子供の眼を守る具体的対策

例えば、外出するときは、眼に長時間紫外線が当たらないように、ベビーカーに日よけを付けたり、帽子をかぶせてあげたりするようにしましょう。

また、カメラのフラッシュやライトも赤ちゃんの眼には刺激が強すぎる、と言われています。

可愛い写真をたくさん撮りたい気持ちはわかりますが、なるべく至近距離でフラッシュをたいたり、頻繁にライトを使って写真撮影をしたりするのは控えましょう。

ある程度大きくなると、手が離せないときはついついスマホやタブレットの乳幼児向け動画や幼児向けテレビ番組を見せて…という機会が増えてくるでしょう。しかし、あまり近距離で長時間スマホやタブレットを見せ続けてしまうと、視力が低下したり、内斜視になってしまったりする可能性もあります。

何時間もずっと画面を見せておくのは避けるようにしましょう。

どうしても気になることがある場合は、眼科を受診することも大切です。

眼の病気の中には、先天性のもの、生まれてすぐに発症するものもあります。しかし、まだ視力が安定していないときに、パパやママがそれらの病気を発見するのは非常に難しいものです。「赤ちゃんがきちんと見えているのか確認したい」「眼の動きで気になることがある」という場合は、早めに眼科医に診てもらいましょう。早期発見することで、今後の視力への影響を抑えられる可能性もあるのです。

・ICLで裸眼でもよく見える生活を!

気を付けていたとはいえ、小・中学生くらいになると、どうしても近視が進んでしまう、という子も少なくありません。学校の視力検査の結果で初めて視力が落ちているのを知った…という人も多いでしょう。

眼が悪い人の中には、「自分が近視だから、子供にも遺伝してしまった」と罪悪感を覚えてしまう方もいるのではないでしょうか。

でも、心配する必要はありません。ICL(眼内レンズ)を受ければ、裸眼でもよく見える生活を送ることができるのです。

ICLは、眼の中に小さなレンズを入れて近視や遠視、乱視を矯正し、視力回復を目指します。その安全性と有効性の高さから、厚生労働省から認可を受けている視力矯正方法です。

一度入れるとメンテナンスや毎日のケアは必要なく、長期間に渡って快適な視力を得ることができます。また、レンズを取り出せば、もとの見え方に戻すことも可能です。

ICLには手術適応年齢があるので、小さなうちは受けることができませんが、将来的に裸眼でよく見える生活を送ることは可能なのです。

子供が小さなうちは、できるケアをしっかりしてあげて、それでも視力が低下してしまったら、ICLを検討するのもひとつの方法です。

■視力は年齢と共に発達するもの

子育て中は、「目が合わないけれど、見えていないのかも」「自分の視力が悪いから、遺伝するのでは?」などといろいろ心配がつきません。でも、赤ちゃんの視力は成長と共に発達していくもの。あまり過度に不安にならずに、できる対策をしっかり立てて、気になることがあれば眼科に相談するようにしましょう。もし近視になってしまったとしても、大きくなってからICLを受ければ、再び裸眼でよく見える生活を取り戻すことも可能です。

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