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視力回復の本は本当に効果があるの?仕組みを解説

「世界一受けたい授業」や「ヒルナンデス」など、テレビで取り上げられたことから、視力回復の本がひそかに話題になっています。視力が悪い人にとって、「視力がアップする方法」は魅力的な情報に違いありません。しかし、果たして本当に効果があるのでしょうか?今回は、今人気の視力回復の本の概要を紹介するとともに、その原理や効果のほどを顔説していきます。
■視力が悪い「近視」とはいったいどんな状態?

「視力が悪い」と聞くと、ほとんどの方は「遠くが見えにくい=近視」の状態を創造するのではないでしょうか。しかし、ひとくちに近視と言っても、さまざまな種類があります。ここでは、近視の種類及び、近視が進行してしまう原因について解説します。
・近視とは
近視とは、文字通り「近くのものは見えるけれど、遠くのものはぼやけて見えにくい」眼の状態のことです。
人の目は、よくカメラの構造にたとえられます。カメラのレンズに当たるのが水晶体、フィルムに当たるのが網膜、という部分です。
人はものを見ようとするとき、水晶体でピントを合わせ網膜で像を結びます。しかし、近視になると、網膜よりも手前でピントが合ってしまうので、ものがぼやけて見えるのです。
・近視の種類
近視にはいくつかの種類があります。それぞれ詳しく解説しましょう。
軸性近視
近視の多くを占めるのが軸性近視です。眼軸、つまり眼球の前後の長さが長いため、網膜よりも手前でピントが合ってしまいます。
屈折性近視
眼の屈折力が強すぎるために、網膜よりも手前でピントが合い、近視になってしまった状態です。
仮性近視
目が緊張状態に陥ったために屈折力が強くなり、網膜よりも手前でピントが合っている状態です。本当の近視ではなく、一時的な近視ですが、緊張状態のまま放置しておくと、本当の移行へと移行してしまうことがあります。
・近視になる原因
近視になる原因は、現時点では解明されていません。しかし、遺伝的な要因と環境要因があると考えられています。
遺伝的な要因
親が近視の場合、子供も近視になる確率が高いようです。このことから、近視には遺伝的要素が大いに含まれているのではないかと考えられています。
環境的要因
屋外での作業の減少、近くを見る作業の増加など、環境的な要因が近視の原因になっていると言われています。
特に最近では、パソコンやタブレット、スマホなどの長時間の使用が目に悪影響を与えていると考えられているようです。
・なぜ近視は進む?
近視が進む原因は2つ考えられます。ひとつが「眼軸の成長」です。身長と同じように、眼軸も成長と共に伸びていきます。眼軸が伸びると、そのぶん近視も進んでいくのです。
このため、子供の軸性近視は、成長が止まる20歳くらいまで進行する可能性があります。
もうひとつの原因は生活習慣です。
前述した通り、スマホやパソコン、タブレットを長時間見続けることで、近視が進んでしまうことがあります。そのため、近視の進行が止まるはずの大人でもスマホなどの影響で、近視が進んでしまったケースも多くあるようです。
■今話題の「視力回復本」とは?
ものがよく見えない状態は非常に不便です。しかし、メガネやコンタクトはわずらわしく、視力を回復させたいと思っている人も少なくないでしょう。
最近、そのような人たちの間で評判を呼んでいるのが、「見るだけで視力がよくなる本」、いわゆる視力回復本です。
ここでは、特に人気が高くおすすめとされている2冊の本の概要及び効果をご紹介します。
「1日3分見るだけでぐんぐん目がよくなる!ガボール・アイ」
「ガボール・アイ」とは、眼科医であり医学博士の平松類氏考案の視力回復法です。この本では、「ガボール・パッチ」と呼ばれるぼんやりとした不思議な縞模様がたくさん並んでおり、読者は、向きや縞の数がバラバラのガボール・パッチの中から同じガボール・パッチを探します。
この、同じものを探そうと絵を眺める動作が視力回復に効果的とされています。
ページが進むにつれ難易度は上がりますが、目的は正解を探すことではないので、間違えても問題ありません。
もともとガボール・パッチは、視力回復のために作られた模様ではなく、脳の視覚野にアプローチするとされてきました。
人がものを見るとき、目でとらえた映像を脳が映像として処理することで、初めて目に見えるものが何かを認識することができます。「ガボール・アイ」は、脳の映像処理機能をトレーニングすることで視力回復を目指す本なのです。
「ただ読むだけでぐんぐん目がよくなる久保田式視力回復ドリル」
眼科医の久保田明子氏が考案した、目を鍛える本です。間違い探しや色読みなど、ゲーム
感覚で読み進めることで、眼の筋肉を鍛え視力の回復を目指します。
テキストの大きさが変わったり、色が変わったりと、読むだけで筋肉がトレーニングできるように、随所に工夫が施されています。
つまり、眼の筋肉を動かしてほぐすことにより緊張状態を解いてあげることを目的とした本、というわけです。
■視力回復の本は効果あり?なし?

前述した2冊は、現在大きな評判を呼んでいます。では、目がよくなる本は本当に効果があるのでしょうか。
先ほどお伝えした通り、カボール・パッチを使用した視力のトレーニング本は、脳へとアプローチして、脳の処理能力を高めるのが目的です。脳の働きを高めることで、近視や遠視、老視への効果が期待できるとされています。
しかし、まだまだ症例数が少ないため、エビデンスが高いとは言えないのが現状。また、眼軸の長さに由来する「軸性近視」に対しての効果は低いでしょう。
久保田式視力回復ドリルは、眼の筋肉をほぐす方法なので、疲れ目や眼が緊張状態にある「仮性近視」に対しては有効かもしれません。パソコンなどの作業が多く目が疲れ気味の人や、子供の視力回復トレーニングとしては、試してみる価値はあるでしょう。
また、どちらの本を使っても即効性を期待することはできません。
なぜなら、脳の処理能力を徐々に上げていったり、筋肉をゆっくりとほぐすことによって、ピント調節機能を回復させたりするのが目的だからです。これらのトレーニングは、根気よく毎日続けることが大切ですが、だからと言って確実に効果があるものではない点も注意しなければいけません。
「毎日する時間がない」「早くよく見えるようになりたい」という人には、ICL(眼内レンズ)がおすすめです。ICLは眼の中に小さくて柔らかいコンタクトレンズのようなレンズを挿入して、近視や遠視、乱視を矯正し、視力回復を目指す方法です。
ICLは安全性と有効性の高さから、厚生労働省の認可を受けています。また、視力回復トレーニングのように、毎日コツコツしなければならないことはなく、施術を受けた翌日から数日以内には視力が安定します。
「メガネやコンタクトレンズは面倒くさい」「裸眼の視力を回復させたい」という方は、一度ICLを検討してみてはいかがでしょうか。
■視力を回復したいならICLがおすすめ
視力回復本は、目や脳のトレーニングとして毎日根気よく続けることが大切です。ただし、視力回復に対する即効性はなく、眼の状態によっては効果が期待できない場合があります。その点ICLなら、施術を受けると早期に視力回復が期待でき、視力回復トレーニングよりも高い効果が期待できるでしょう。視力回復トレーニングはやりたくない、視力回復本を読んだけれど効果がなかった…という人は、一度ICLを検討してみてはいかがでしょうか。