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正しいコンタクトレンズの使い方とは?使用方法を守って目を大切に

眼鏡と比べて視野を広く確保でき、動いてもずれる心配のないコンタクトレンズ。近年ではファッション性の高いカラーコンタクトも普及し、コンタクトレンズのニーズも視力の補正や矯正から広がりを見せています。身近な存在のコンタクトレンズですが、レンズが直接目に触れるため、使い方を誤ると目の健康を害するリスクも…。コンタクトレンズは正しい使い方をマスターして適切に使うことが大切。コンタクトレンズの使い方やケア方法をご紹介し、トラブルがないよう過ごすヒントをお届けします。
■コンタクトレンズの使い方

早速、コンタクトレンズの使い方を説明していきましょう。
・コンタクトレンズをつけるとき
レンズをつけるときは、レンズの状態を確認し、目を傷つけないようゆっくりと装着します。
コンタクトレンズをチェック
コンタクトレンズをつける際は、まず【レンズのチェック】が大切。確認するポイントは3つです。
レンズチェックのポイント
・欠け、破れがないか
・裏表が正しいか
・左右が合っているか
コンタクトレンズを容器から取り出したら、欠けている部分や破れている部分がないか確認しましょう。この際、レンズを真横から観察し、裏表が正しいかどうかもチェックしてください。レンズのフチが反り返っておらず、おわん状になっていれば大丈夫です。レンズの左右が合っているかどうかにも気を配りましょう。
コンタクトレンズの装着
コンタクトレンズをつける手順は以下です。
コンタクトレンズをつける手順
1.人差し指の先端にレンズをのせる
2.指で大きく目を開く
3.黒目にレンズを装着する
4.目を閉じる開くことを繰り返し、レンズを安定させる
コンタクトレンズを装着するときは、利き手の人さし指の先端にレンズをのせてください。このとき、レンズにゴミがついていないかも確認しておきます。
レンズをのせた利き手の中指で下まぶたをおさえ、レンズをのせていない手の人さし指で上まぶたをおさえて目を大きく開きましょう。黒目にコンタクトレンズをゆっくりとのせるように装着します。まばたきを繰り返して馴染ませ、違和感がないか確認しましょう。
コンタクトレンズをはずすとき
コンタクトレンズをはずすときの手順はこちらです。
コンタクトレンズをはずす手順
1.鏡でコンレンズが黒目にのっているかチェック
2.少しあごを引き、目だけで上を見る
3.利き手の人さし指でレンズを黒目の下半分ほどの位置までずらす
4.利き手の人さし指と親指でレンズをつまんではずす
鏡でコンタクトレンズの位置を確認しながらはずしましょう。利き手の人さし指でレンズを黒目の下半分ほどの位置までやさしくずらし、同じ手の親指も使ってレンズをつまみます。ポイントはレンズの下の方をつまむこと。目を傷つけないよう注意しましょう。
レンズをずらしにくいときは、コンタクトレンズ対応の目薬を点眼してレンズに水分を与えます。手は乾いた状態のほうがつまみやすいでしょう。
ワンデーの使い捨てコンタクトレンズの使い方も、2weekやマンスリーといった使い捨てではないコンタクトレンズの使い方も、着脱においては同じです。
■コンタクトレンズのケア方法
2weekタイプなど、使い捨てでないコンタクトレンズは、お手入れ方法を誤ると眼障害につながるリスクがあるため注意が必要です。正しいケアで汚れをきちんと落とし、雑菌などの繁殖を防ぎましょう。
・過酸化水素タイプ洗浄液でのケア方法
コンタクトレンズのケア方法は2種類。過酸化水素タイプの洗浄液を使った方法と、MPS(マルチパーパスソリューション)タイプの洗浄液を使った方法です。過酸化水素タイプの洗浄液は、過酸化水素の力を使って汚れを落とし、消毒まで行います。高い消毒効果が期待できる点が特徴で、熱によるレンズの劣化もありません。専用のレンズホルダーとレンズカップを使用します。
過酸化水素タイプ洗浄液でのケア手順
1.過酸化水素タイプ洗浄液専用のレンズホルダーにレンズをセットする
2.レンズカップに洗浄液を必要量入れる
3.レンズカップにレンズホルダーをセットして指定時間放置する
過酸化水素タイプの洗浄液は、中和することで目に刺激のない水となります。中和用白金デスクなどがセットとなった専用のレンズホルダーの使用がマストです。放置する指定時間(多くが6時間以上)を守りましょう。
・MPSタイプ洗浄液でのケア方法
MPSタイプの洗浄液は、1本でソフトコンタクトレンズの洗浄・消毒・保存までカバーするのが特徴。洗浄液を使用してこすり洗いをすることで除菌し、洗浄液でレンズを保存することで残りの雑菌を消毒します。
MPSタイプ洗浄液でのケア手順
1.MPSタイプ洗浄液でレンズをこすり洗いする
2.こすり洗いしたレンズを洗浄液でよくすすぐ
3.専用レンズケースに洗浄液をそそぎ、レンズを入れて指定時間放置する
MPSタイプ洗浄液でのレンズケアはこすり洗いが欠かせません。すすぎも正しく行いましょう。なお、こすり洗いやすすぎに水道水は使用できません。
■レンズケースのケア方法

コンタクトレンズのケアは正しく行えても、レンズケースのケアは忘れがちです。洗浄を忘れたり、保存液が入ったまま放置してしまったりすると、菌の温床となってしまうため要注意。安全にコンタクトレンズを使い続けるために、レンズケースのケア方法もおさらいしておきましょう。
レンズケースのケア手順
1.残っている保存液を捨てる
2.流水またはMPSタイプ洗浄液で洗浄する
3.風通しの良い清潔な空間で乾燥させる
MPSタイプ洗浄液専用のレンズケースは、使用後の保存液を捨て、流水またはMPSタイプ洗浄液で洗浄しましょう。水分をきり、風通しの良い清潔な空間で乾燥させます。布で拭くと雑菌が移るため、自然乾燥がポイント。レンズケースは定期的に交換することも大切です。
■コンタクトレンズを扱う際の注意点
ここからは、コンタクトレンズを扱うときの注意点をご紹介していきます。
・手は清潔に・爪は整えておきましょう
コンタクトレンズのつけはずしや洗浄などでレンズをさわる際には、必ず手をせっけんで洗いましょう。清潔な手で扱うことが鉄則です。さらに、爪で目やレンズを傷つけてしまうことがないよう、爪の先端を整えておきましょう。
・メイクはコンタクトレンズをつけてから
お化粧をする日にコンタクトレンズを装着する場合は、レンズをつけてからメイクをします。メイクオフ時は、先にレンズ取りましょう。こうすることで、コンタクトレンズへの化粧品の付着を避けることができます。【コンタクトレンズファースト】と覚えておくと良いでしょう。
・1日の装着時間を守ろう
コンタクトレンズを装着する時間は眼科医の指示に従いましょう。特にコンタクトレンズを初めて処方される方は、気をつけることとして装着時間を意識してください。初日は何時間、2日目は何時間…と眼科医から目安時間のアドバイスをもらい、そちらに従います。
・使用期間を守ろう
コンタクトレンズには、使用期間が決まっているものがあります。使用期間を超えて使用すると目のトラブルに発展してしまう場合もあるため、眼科医の指示に従い、使用期間も必ず守りましょう。
・コンタクトレンズをつけたまま寝ない
コンタクトレンズを装着した状態で寝てしまうと、目への酸素が不足したり、こすってしまう原因となったり、トラブルにつながってしまうことも。コンタクトレンズの中には、医師の指示のもと連続装用できるものもありますが、許可を得ていないレンズは必ず外してから就寝しましょう。
■定期検査も忘れずに
コンタクトレンズの使用において、眼科医による定期検査は大変重要です。自覚症状がないまま眼障害が進行するケースもゼロではありません。安全に、また安心して使用を続けるために、3カ月に1回の頻度を目安に検査を受けるのが理想です。
3カ月以内でも、目に違和感があればすぐに眼科を受診してください。
■コンタクトレンズは正しい使い方で安全に使いましょう
コンタクトレンズは便利な反面、使い方を間違えると目のトラブルを引き起こす原因となります。レンズは必ず清潔な手で扱い、目を傷つけないような着脱方法を意識しましょう。快適に使用できていても、定期検査は忘れずに。渋谷眼科クリックでも、コンタクトレンズの相談を受けています。コンタクトレンズは医療機器。正しい使い方で、安全を意識して付き合っていきましょう。