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乱視用コンタクトとは?乱視のチェック方法やカラコン事情も

ものが二重に見えたりぼやけたりするときには、乱視用コンタクトを使って視力の矯正を行います。乱視用コンタクトは、近視用とは構造や厚みも違うため、乱視が強く出始めたときには切り替えが必要です。とはいえ、「乱視とはどんな症状?」「放っておくとどうなるの?」など、疑問をもつ方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、乱視とは何か、また乱視用コンタクトとはどんなものかについて詳しく解説していきます。
■乱視用コンタクトとは?

乱視用コンタクトとは、乱視の原因となる角膜のゆがみを矯正していくコンタクトレンズのこと。どの程度の症状が出るかは個人差がありますが、ほとんどの方は乱視をもっているといわれています。そのため乱視があるかどうかよりも、「どのくらい強い乱視なのか」を知っておくことが大切です。
・そもそも乱視ってどんな状態のこと?
乱視とは、眼球の一番外側にある透明な膜である「角膜」の形が変わったために、ものがぼやけたり二重に見えたりする症状のこと。とくに強い乱視がある方は、眼精疲労や視力の低下、肩こりなどの原因にもつながるため注意が必要です。
乱視には2つのタイプがあり、角膜が楕円形にゆがむ症状は「正乱視」と呼ばれます。正乱視は、目の中のピントが1点で結ばれず、2つの線になってしまうことが特徴です。メガネで矯正が可能ですが、角膜のゆがみが原因の場合はハード、またはソフトコンタクトレンズを使った矯正もできます。
一方、角膜の表面が凸凹したり不規則にゆがんだりする症状は「不正乱視」と呼ばれています。角膜の表面が滑らかでないため、さまざまな角度で光が屈折してしまい、網膜上でピントが結ばれない状態になっていることが特徴です。矯正する場合は、ハードコンタクトレンズで行うことがほとんどでしょう。
・乱視は放っておくとどうなる?
乱視は放っておくと、症状が悪化してしまう可能性が高まります。例えば、乱視が強い状態でものを見ようとすると、見えにくさを解消するため目を細める機会が多くなります。このちょっとした動作が眼球を圧迫しており、角膜の変形やゆがみの原因へとつながるのです。
さらに、これらの目にかかる負担は、眼筋などの筋肉を緊張させていきます。目の疲れから肩こりや頭痛が起こりやすいのは、こうした症状の積み重ねが原因なのです。残念ながら、乱視は放っておけば自然治癒するような症状ではありません。そのため、疑わしい症状が見られる場合には早めに眼科に相談し、適切な処置を行っていくことが大切です。
■乱視用コンタクトと近視用の違いは?

角膜のゆがみを矯正することを目的とした乱視用コンタクトは、近視用コンタクトとは異なる特徴があります。乱視用と近視用のコンタクトの違いに注目してみましょう。
・構造やデザイン
乱視用コンタクトは、ゆがみのある角膜に対し、反対方向のゆがみがあるレンズをつけることでピントを合わせていきます。レンズにも適切な向きがあるため、正しい向きで装用することが必要です。また、目の中でレンズが動いてしまうと矯正する角度がずれるため、回転を抑制するデザインが施されています。
一方、近視用コンタクトは、網膜上で焦点が結ばれるように設計されたレンズが用いられています。中央部分よりも周辺部分のほうが厚いデザインの凸レンズを使って、矯正していくことが一般的です。
・厚み
乱視用コンタクトは、厚みがある場所が異なる2種類のデザインがあります。レンズ下側に厚みがあり重力とまばたきで安定感を出す「プリズムバラストデザイン」。上下は薄く左右に厚みをもたせた「ダブルスラブオフデザイン」です。
酸素を通す数値である酸素透過率を比較すると、ダブルスラブオフデザインのほうが高いといわれています。そのため、ドライアイの方にはこちらのほうがおすすめでしょう。一方、近視用コンタクトは、中央部分よりも周辺部分に厚みがあることが特徴です。
・価格
乱視用コンタクトと近視用コンタクトの価格を比べると乱視用のほうが高いことがほとんどです。乱視用コンタクトは、レンズ自体への細工も多いため、その分費用が上がりやすくなっています。そのため、費用を抑えたい方は1day(ワンデー)タイプではなく、2week(ツーウィーク)にする、できるだけ安い時期に購入するなどの工夫が大切です。
■乱視でもカラコンは使える!選び方とは

少し前までのカラコンは、度の入っていないものがほとんどでしたが、最近は度の入っているカラコンや乱視でも使えるタイプが登場しています。乱視用のカラコンを選ぶときには、次のことに注意しておきましょう。
・眼科を受診してから選ぼう
乱視用のカラコンを初めて購入するときには、まず眼科を受診して処方箋をもらいましょう。乱視を矯正していくには、ご自身に合った度数(PWR)だけで選ぶのではなく、乱視度数(CYL)や乱視軸(AXIS)と呼ばれる数値も見ていかなければなりません。処方箋なしで購入すると、こうした数値がわからないため、合わないカラコンを選んでしまう可能性が高いのです。
・厚生労働省から認められているかチェック
ご自身の度数や乱視度数を知っている、乱視用のカラコンに慣れている方は、ネットから注文するケースも増えています。ネット注文の場合は、「高度管理医療機器認可証」をもつショップかどうかが、信頼度を図る指標の1つです。この認可証があれば、厚生労働省の認可をもっているショップといえるため、一定の信頼がおけるでしょう。ただし、乱視用のカラコンを使っていくなかで不具合や不調を感じたときには、すぐに使用をやめ、近くの眼科に相談することが大切です。乱視のカラコンを楽しく活用できるよう、選び方や使い方には十分注意していきましょう。
■これって乱視?セルフチェックの方法

乱視の強さがどれくらいなのかは、次のような症状の有無でも図ることができます。「最近視力が落ちた気がする」「近視だけでなく乱視もあるかも」と感じる方は、ぜひチェックしてみましょう。
・ピントを合わせるために目を細めることが多い
・メガネやコンタクトを使っていても見えにくさを感じる
・夜景がにじんで見えたり、夜間に見る月が二重に見えたりする
・目の疲れやすさに加え、頭痛や肩こりの症状がある
・まばたきをすると視界がぶれることがある
・パソコンの文字が読みにくいことやぼやけることがある
・夕方や夜にかけてとくに目が疲れやすい
これらすべての項目の原因が乱視だけとはいえませんが、こうした症状がある場合は乱視である可能性が高まります。放っておくと乱視が進行してしまうこともあるため、早めにかかりつけの眼科に相談しましょう。
■ICLにも乱視用コンタクトあり!渋谷眼科クリニックに相談を
乱視用コンタクトは、角膜のゆがみに対して反対のゆがみをもつレンズを使うことで、視力を矯正していくものです。近視用とは構造や機能性も違うため、乱視が強くなったときには乱視用コンタクトに切り替えましょう。また、近年、乱視を矯正する方法の1つとして「ICL(眼内コンタクトレンズ)」も注目されています。小さなレンズを眼内に入れることで、乱視を矯正していく方法です。ICLであれば裸眼の状態で視力を回復できるため、カラコンをつけたい方も好きなものが選びやすいでしょう。乱視にお困りの方は、幅広い治療方法が提案できる渋谷眼科クリニックに、ぜひお気軽にご相談ください。