レーシックとICLを徹底比較!それぞれのメリット・デメリットは

視力矯正の手術と言えば、レーシックとICL(眼内レンズ)を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。しかし、それぞれの手術の特徴まで詳しく知っている…という人は少ないかもしれませんね。中には、レーシックとICLどちらが良いのか気になっているという人もいるでしょう。そこでこの記事では、レーシックとICLの特徴をそれぞれ比較解説していきます。視力矯正手術を受けたいと思っている人は、ぜひ参考にしてください。

■レーシックってどんな手術?メリットやデメリットも

まずは、レーシックについて、その概要とメリット・デメリットについて解説していきます。

・レーシックとは

レーシックとは、角膜を削って形状を変えることで、近視や遠視、乱視を矯正する手術です。

はじめに、コンピューターで制御された「フェムトセカンドレーザー」という機械で角膜にフラップ(フタ)を作ります。その後、角膜にエキシマレーザーを照射し、角膜のカーブを変え、網膜の上にピントが合うようにして矯正するのです。

レーシックが出はじめた頃は、「マイクロケラトーム」というカンナのような機械を使って角膜にフラップを作っていました。しかし、フェムトセカンドレーザーが登場してからは、より薄く、精度の高いフラップが作成できるようになったと言います。

日本では、レーシックは一時期爆発的な人気となりました。しかし、その後さまざまな問題が起こり、「レーシックに失敗しました」「レーシックをして後悔した。やらなきゃよかった」「やめた方がいいの?」などとブログやSNSに投稿する人も見られました。また、レーシックに失敗した芸能人のニュースが報道されたこともあります。そのせいもあり、現在は一時期に比べると年間の施術数は減少しているものの、いまだ世界では最も多く行われている視力矯正方法なのです。

・レーシックのメリット

レーシックの最大のメリットは、メガネやコンタクトがなくてもよく見えるようになることです。

また、手術時間が短く、術後の回復も早いというメリットもあります。レーシックの手術そのものは約10分で終了。トータルでも1時間半~2時間ほどで終わるので、日帰り手術が可能です。また、術後の回復も早く多くの人が翌日には視力がよくなります。

さらに、ほかの視力回復術と比べると値段がリーズナブルという点もメリットのひとつです。

・レーシックのデメリット

一方、レーシックにはいくつかのデメリットもあるので注意が必要です。まず、レーシックは角膜を削るので、手術後は元の状態に戻すことができません。そのため、見え方に違和感があったり、思ったほど視力が回復しなかったりという場合は、メガネやコンタクトレンズで矯正しなければならないケースも。

また強度近視の人は、「近視の戻り」といって、再び近視が出てくることがあります。さらに手術後の後遺症として、夜に光がにじんだりまぶしく見えたりする「ハロー・グレア現象」が起こることも。

そのほか、手術の際に一時的に視神経が損傷されるため、ドライアイの症状が出ることもあります。個人差がありますが、ドライアイはおよそ半年~1年ほどで改善されると言われています。

■ICLの手術とは?メリットとデメリット

続いて、ICLの概要およびメリット・デメリットを紹介します。

・ICLとは

ICLは眼の中に小さなレンズを入れて、遠視や近視、乱視を矯正し、裸眼での視力回復を目指します。ICLは角膜を3mmほど切開し、その切開部分からレンズを挿入。虹彩と水晶体の間へレンズを埋込みます。術後、白内障などの眼の病気になったり、見え方に不満が出たりした場合は、レンズを取り出すことで元の状態へと戻すことが可能です。また、適用範囲が幅広いので、レーシックができない強度近視の人や角膜が薄い人にも施術することができます。レンズは生体適合性にすぐれた「コラマー」という素材でできているので、毎日のケアや定期的なレンズ交換は不要。一度挿入したら長期にわたって良好な視力を維持することができます。

ICLは、安全性と有効性の高さから、厚生労働省の認可を受けている視力回復法です。

・ICLのメリット

ICLのメリットは、見え方の質がよくなることです。角膜を削らす眼内レンズで視力を矯正するので、角膜の歪みが少なくクリアで鮮やかな見え方が期待できます。

また、レンズを取り出すことでいつでも元の状態に戻せるので、眼の病気になった際に治療の選択肢が狭まってしまうことがありません。レンズを交換すれば視力の調整も可能です。

さらに、コンタクトレンズのように定期的なレンズ交換や毎日のお手入れが不要なのも、メリットのひとつと言えるでしょう。

・ICLのデメリット

ICLにもいくつかのデメリットがあるので、注意が必要です。ICLは自由診療なので、全額自己負担となります。そのため費用面の負担が大きくなってしまいます。ただし、確定申告することで医療費控除が受けられるほか、加入している生命保険によっては手術給付金が下りる可能性があるでしょう。

また、ICLは手術前の検査結果に基づいて、一人ひとりのレンズをオーダーします。そのため、国内にレンズの在庫がない場合は手術を行うまで1ヵ月~3ヵ月ほどかかってしまうことも。余裕を持ったスケジュールを組むようにしましょう。

■レーシックとICL特徴や費用を比較!

最後に、レーシックとICL、それぞれの特徴を比較してみましょう。

・視力の安定性や見え方は?

一般的に、近視の進行は20歳代で止まると言われています。そのため、20歳以降でレーシックやICLを受けた場合、どちらも長期的に視力は安定するでしょう。ただ、レーシックの場合は、強度近視の人に「近視の戻り」が起こる可能性があります。

また、レーシックは角膜を削って視力を矯正するので、削った分だけコントラストが低下してしまったり、見え方に少し違和感を覚えたりする可能性があります。それに対してICLは、角膜を削ることがないので、鮮やかでクリアな視界を確保することができるでしょう。

・費用はどれくらい違う?

レーシックとICL、いずれも公的保険の適用外なので、手術の費用は全額自己負担となります。レーシック手術の費用の相場は、両眼で25~40万円程度です。それに対してICLの手術の相場は、45万円~100万円程度です。いずれの手術も乱視があると、追加費用がかかるケースがあります。

レーシック、ICLどちらも確定申告をすると医療費控除を受けることができます。

・安全性が高いのはどっち?

レーシックとICLは、どちらも安全性の高い手術。しかしレーシックは、角膜を削って視力を矯正するため、一度手術を受けると元の状態に戻せない不可逆性の治療です。

一方、ICLは眼の中に挿入したレンズを取り出すことによって、いつでも元の状態に戻せます。そのため、もし術後の見え方に満足ができなかったり眼に何らかのトラブルが起きたりした場合も、レンズを取り出して元の状態に戻すことが可能です。

つまり、ICLは手術を受けても治療法や手術の選択肢が狭まることがないというわけです。その点では、レーシックよりもICLの方が術後の眼の予期せぬトラブルに柔軟に対応可能と言えるでしょう。

■自分に合った視力矯正法を選ぼう

レーシックとICLは、どちらも近視や遠視、乱視を矯正して裸眼での良好な見え方が期待できる矯正法です。2つの大きな違いは「角膜を削るか削らないか」。ICLなら、角膜を崩らないのでいつでも元に戻せるというメリットがあります。もし、どちらが良いのか決められないという場合は、まず医師に相談してみましょう。眼の状態を検査したうえで、その時の眼の状態やライフスタイルに適した視力矯正方法を提案してくれるでしょう。

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