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マサイ族の視力が良い理由を解説!どうしてそんなによく見えるの?

アフリカのサバンナで暮らすマサイ族は、驚異的によく見える視力を持つことで知られています。皆さんも、「どうしてそんなによく見えるんだろう?」と不思議に思ったことがあるのではないでしょうか?そこでこの記事では、マサイ族の視力の「秘密」を徹底解明したいと思います。もしかしたら、彼らの生活スタイルの中に、視力がよくなるヒントが隠されているかもしれませんよ。
■マサイ族ってどんな人たち?

まずは、マサイ族とはどのような民族なのかを解説していきましょう。
マサイ族は、ケニア南部からタンザニア北部一帯に暮らしている先住民です。元来マサイ族は、ヤギやヒツジ、牛などを遊牧しながら暮らす遊牧民だったのですが、現在は自然保護区である国立公園内に定住して、ガイドや観光業で生計を立てている人も増えつつあります。
マサイ族の人たちは、“シュカ”と呼ばれる色鮮やかな布をまとっています。また、細かいところまで手の込んだビーズの装飾品の美しさも必見です。
マサイ族は、身長が非常に高いことでも知られていて、平均身長はなんと190cmだと言われています。ただしこれは、厳密に測定されたわけではなく、実際にマサイ族を目の当たりにした観光客が、「高身長である」という印象を受けていることから推測されているようです。
マサイ族は、ライオンを狩る勇敢な民族としても有名。
マサイ族の男性は、1人で雄ライオンを狩ることで、男性としての強さや名声を得ることができるのだとか。ちなみにマサイ族は、雌ライオンを狩ることはありません。
しかし、近年では、ライオンの数も減少していることから単独でのライオン狩りは禁止、グループでの狩りのみ許可する、というルールを設けライオンの保護に努めているのだそうです。
マサイ族と言えば、垂直に飛ぶジャンプを思い浮かべる人もいるかもしれませんね。
あの有名なジャンプは、若い男性が女性に男らしさをアピールする伝統的な踊り。
またマサイ族は、世界でも希少な「喉歌」の文化を持つ民族でもあります。喉を使い、変わった音を発しながら歌を歌います。
このようにもアフリカでもっとも有名な民族と言っても過言ではないマサイ族は、さまざまな伝統や文化を持っているのです。
■マサイ族の視力はどれくらい?よく見える理由は?
マサイ族は、驚異的な視力持っている民族としても知られています。その視力は8.0とも10.0とも言われているのですから、びっくりですよね!
サバンナの遊牧民であるマサイ族は、広大な自然の中でヤギやヒツジを遊牧しているので、遠くを見る力が必要とされています。と言っても、何か特別なトレーニングをしているわけではなく、日々遠くの風景を見る生活を続けていることで良好な視力が維持されているのだそうです。
ここでひとつ面白い話をご紹介しましょう。
ミャンマーに暮らすモーケン族という民族は、マサイ族同様、3.6~9.0という驚異的な視力を持つ民族です。
このモーケン族の眼を研究したところ、さまざまな特徴が見られたそうです。そのひとつが、「錐体細胞があまり減少していない」ということです。
錐体細胞とは、網膜の中心に存在する細胞で、色や形を感知する役割を果たします。人間の眼には約600万個の錐体細胞が存在していますが、その数が多く密に存在して入ればいるほど、視力がよくなるのです。
しかし、私たち文明人の眼は、パソコンやスマホなど近くを見る作業などが原因となり、錐体細胞が減少しています。
一方で、電気がなく、原始的な生活を営むモーケン族は、網膜の錐体細胞の減少がほとんど起こっていない可能性があるとみられているのです。
つまり、モーケン族と同じく、自然の中で遠くをよく見る生活を続けているマサイ族も、錐体細胞の減少が起こりにくいために、驚異的な視力を維持できているのかもしれない、というわけです。
ちなみに、驚異的な視力の持ち主のマサイ族でも、都市部で生活していると、平均1.0程度まで視力低下してしまうそうですよ。やはり、視力の良し悪しは、生活環境に大きく左右される、ということですね。
■視力10.0ってどんな世界?

私たちにとっては、視力2.0でも「非常に良く見える」状態。では、マサイ族は、はたして何メートル、それとも何キロ先まで見えるのでしょうか?
視力検査の時に、用いられる「C」の形をした環のことを「ランドルト環」と言います。5mの距離から、約1.45mmのランドルト環の切れ目を判別できれば視力は1.0です。10mのところから判別できれば2.0、15mのところから判別できると、視力は3.0となります。
となると、視力10.0は、50m先からランドルト環の切れ目が判別できる、ということ。1.45mmは、パスタの直径とほぼ同じ。そして渋谷109の高さがほぼ50mです。ということは、マサイ族が普段見ている「視力10の世界」とは、渋谷109の屋上から地上にあるパスタの数が数えられるくらい…ということになります。
これは想像を絶する「よく見える世界」ですよね…!
ただし、マサイ族は遠くが非常に良く見える分、近くを見るときに眼の屈折の調節力をたくさん使わなければいけません。そのため、非常に目が疲れやすく、老眼になりやすい、ともいわれています。 また、マサイ族の暮らすタンザニアに住む子供たちは、紫外線が強い屋外で過ごす時間が長いので、目に紫外線を浴びる量が、なんと日本の3倍以上なんだそう。そのため、若いうちから紫外線が原因による眼の病気で、視力が極端に低下してしまったり、失明してしまったりする人も少なくないそうです。
■近い将来、「視力10の世界」を体感できるようになるかも…?
「視力10.0」とはいかなくとも、遠くがよく見える世界を私たちが体感できるのも、そう遠くないかもしれません。というのも、カナダのガース・ウェッブ博士が「オキュメティック バイオニック レンズ」という眼内レンズを開発。なんと、わずか8分間の手術で、視力が3.0まで回復する、というものです。
もしこれが日本でも承認されれば、誰でも簡単に視力3.0の見え方を得ることができる、というわけです。
2018年の時点で、オキュメティック バイオニック レンズは臨床試験に向けた準備が進行中、とのニュースが発表されました。しかし、まだまだ実現には時間を要する模様です。
視力3.0とまではいかなくとも、1回の施術で長期的に快適な見え方を実現する方法があります。それが、ICL(眼内レンズ)です。
ICLは、眼の中に小さなレンズを入れて、近視や遠視、乱視を矯正し、視力回復を目指す方法。施術時間も短いので日帰り手術が可能で、一度手術をすれば、毎日お手入れをしなくても、良好な視力を維持することができます。
また、レーシックのように角膜をけずることはないので、レンズを取り外せばもとの見え方に戻すことが可能です。
将来、白内障や緑内障になった場合も、レンズを取り出すことで手術等の治療を受けることができます。
ICLはその安全性と有効性の高さから、厚生労働省から認可を受けている視力回復法です。
当院、渋谷眼科クリニックでもICL手術を行っています。
マサイ族までの視力は必要ないけれど、せめてコンタクトレンズやメガネを使用しなくてもよく見える程度の視力がほしいな、と思っている方は、ぜひICLを検討してみてはいかがでしょうか?「視力10の世界」は実現しなくとも、「視力1.5の世界」は今すぐにでも実現することができますよ。
■よく見える世界はすぐに手に入る!
マサイ族の驚異的な視力の秘密、おわかりいただけましたか?
やはり、自然の中で遠くをよく見る生活が、「視力10の世界」の秘訣のようです。残念ながら現代の日本では、マサイ族のような生活を送ることはほぼ不可能ですが、低下してしまった視力を、ICLで取り戻すことは可能です。渋谷109の屋上からパスタの数を数えられなくても、せめてコンタクトやメガネを使わずに渋谷109でショッピングを楽しみたい、という方は、ぜひICLを検討してみてはいかがでしょうか?