ドライアイの原因や治し方!ICLで改善する場合も?

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パソコンやスマートフォンなどが原因でドライアイになる人は少なくありません。ドライアイになると、目が乾いたり、疲れやすくなったりします。コンタクトレンズを装着する人は、ドライアイに悩む人も多いでしょう。そこで、今回はドライアイの主な症状や原因、治し方についてご紹介しています。近年話題になっている「ICL(眼内コンタクトレンズ)」についても解説しているので、ドライアイに悩んでいる人はぜひチェックしてくださいね。

ドライアイとは?

ドライアイは目や涙の異常により起こる病気です。ドライアイは主に3つの種類にわけられます。涙の異常による「涙液減少型ドライアイ」や「蒸発亢進型ドライアイ」、角膜機能の異常によって起こる「BUT短縮型ドライアイ」の3つについて、解説しましょう。

・涙液減少型ドライアイ
涙液減少型ドライアイとは、涙の量に関する異常です。目のシステムに異常があり、涙が十分に分泌されず、目が乾燥してしまいます。

・蒸発亢進型ドライアイ
蒸発亢進型ドライアイとは、涙の質に関する異常です。涙の蒸発を防ぐ油層を作る組織(マイボーム)に異常があることで、涙が蒸発しやすくなってしまいます。

・BUT短縮型ドライアイ
BUT短縮型ドライアイは、目が乾燥していないのに、角膜機能の異常により涙が十分に広がらない状態です。従来のドライアイの患者さんは高齢の女性が多い傾向にある一方、BUT短縮型ドライアイは若年層の患者さんに増えています。

ドライアイの主な症状

ドライアイの主な症状は以下の通りです。いくつ当てはまるかチェックしてみましょう。

・目が乾きやすい
・目が痛い
・目が疲れやすい
・目がゴロゴロする
・物が見えにくい
・目に違和感がある
・白っぽい目やにが出る
・目が開けにくい
・目が充血しやすい
・10秒以上目を開けたままにできない

複数チェックが入った人は、ドライアイの可能性があります。症状が悪化しないうちに、適切な対策が必要です。

ドライアイの原因

ドライアイの原因は加齢やブルーライトの刺激、コンタクトレンズの装着などです。目を守る涙を分泌するには、まばたきが必要です。しかしパソコンやスマートフォンの画面に夢中になっているときは、まばたきの回数が減り、目が乾いてしまいます。目が乾燥していると傷が付きやすく、その他の目のトラブルを引き起こすことがあるので気を付けなければなりません。
またドライアイの原因は、涙の質の低下も考えられます。前述したとおり、涙の質の低下とは、涙の成分に異常があり涙がすぐに蒸発してしまう状態です。閉経後の女性に多く発生する症状でもあります。目の違和感が続いている場合は、早めに医師に相談しましょう。

ドライアイがひどくなるとどうなる?

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ドライアイだけが原因で失明する可能性はほぼありません。しかし、ドライアイが重症化すると、角膜や結膜に傷が付き、角膜炎や結膜炎を発症する恐れがあります。病気を放置していると眼機能が悪化し、視力低下を招く可能性も…。「たかがドライアイ」と放っておくのはおすすめしません。

ドライアイの治し方はあるの?

「仕事でパソコンを使うからドライアイは治せない!」と思う人もいるでしょう。とはいえ、適切な対処をすればドライアイの症状を緩和させられるケースはあります。具体的な対策方法をご紹介していきましょう。

クリニックで処方された目薬を使う

目に傷が付いていないか、合併症を引き起こしていないかなどを調べるためにも、まずは眼科を受診しましょう。ドライアイの目薬は目の水分量を増やしたり、乾燥を防いだりする効果があります。また粘膜の炎症をおさえる効果のある目薬もあり、ドライアイで炎症を起こしている人におすすめです。

涙点プラグによる治療

涙点プラグとは、涙点にプラグ(栓)を入れて、涙が流れ出ないようにする方法です。涙点とは目頭の上下にあいた穴で、涙が流れる場所のこと。涙点の全てを塞いでしまうと涙があふれてしまうため、涙点プラグは上下どちらか一方に挿入します。3~5分程度の処置で終わり、痛みもありません。

ICL手術を行う

ICLとは「眼内コンタクトレンズ」と呼ばれる小さなレンズを目の中に移植し、視力の回復をめざす治療法です。乱視や遠視、近視が矯正でき、裸眼で生活が送れるようになります。角膜を削るレーシック手術とは違い、切開創が小さいので、手術によってドライアイが進行する可能性が低いです。コンタクトレンズのように眼内にレンズを入れる施術なので、違和感があればレンズを取り出し、術前の状態に戻せるのも魅力です。

コンタクトレンズが起因のドライアイはICLで改善する場合も

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通常のコンタクトレンズは以下のような特徴から、ドライアイを引き起こすことがあります。

・コンタクトレンズに水をはじく性質があり、涙が広がるのを防いでしまう
・レンズの汚れが目を傷つけたり、水分を目の表面にとどめる働きをするムチン分泌を低下させたりする
・角膜が覆われ、目の動きが不十分になることで涙の分泌が減少する

上記のようにコンタクトレンズが原因のドライアイは、ICLで改善する場合があります。なぜなら眼内コンタクトレンズであるICLは毎日の付け外しもなく、傷が付く恐れがないからです。事前の診察でレンズの選定を行ったあと、以下のような流れで手術を行います。

≪手術の流れ≫
1.点眼薬で拡大させた瞳孔に点眼麻酔を打ちます
2.角膜を約3mm切開します
3.切開した部分からICL(眼内コンタクトレンズ)を挿入します
4.水晶体と虹彩の間にICL(眼内コンタクトレンズ)を設置し、適切な位置で固定します

手術は短時間で終わり、術後すぐに効果を感じられる人がほとんどです。術後は処方された点眼薬をさし、定期的に検診に訪れて目の状態を確認します。日本では有名人やスポーツ選手なども受けています。

ICLでよくある質問

ICLの手術についてまだまだ気になる点がありますよね。ここからはICLでよくあるご質問についてお答えします!

Q1.ICLの手術後、いつから仕事可能できるの?

ICLは日帰りで可能な手術のため入院する必要はありませんが、当日・翌日すぐの仕事復帰は難しいでしょう。デスクワークの場合は、術後2日目から仕事復帰が可能です。
体力を必要とする仕事や車の運転をする場合は、翌日の健診で医師に相談しましょう。翌日以降は定期的に検診に行き、目の状態を確認してくださいね。

Q2.痛みはあるの?

手術前に点眼麻酔(目の表面にさす麻酔)をかけるため、術中に痛みを感じることはほぼありません。ただ、人によっては点眼麻酔がしみることがあります。術中は器具を使って目を開けた状態で固定するので、違和感が出る可能性もあります。局所麻酔で意識もはっきりしていますから、痛みが気になるとき麻酔の追加が可能です。麻酔の持続効果は15~20分ほどで、手術の所要時間は数十分程度です。

Q3.「ドライアイや花粉症の人でもできるの?」

ICLの手術はドライアイの人でも可能。ICLにしたからといって、涙の分泌に影響するわけでないからです。コンタクトレンズに起因するドライアイは、ICLで解消する場合もあります。
また、花粉症に悩む人もできる手術です。花粉症の時期にコンタクトレンズを入れていると、花粉がレンズに付着し、症状が悪化するケースがあります。ICLは目の中にレンズを入れるので、花粉が付くこともなく、むしろコンタクトレンズよりも快適に過ごせます。

ドライアイに悩んでいる人はICLも検討してみて

今回はドライアイの主な症状や原因、対処法などについてご紹介しました。生活習慣や加齢によって起こるドライアイは多くの人が悩んでいる症状です。市販の目薬でも違和感が続く場合は、早めに眼科を受診しましょう。当院ではICLをはじめとしてさまざまな方法を提案できますので、ぜひお気軽にご相談くださいね。

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