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ICL手術を受けられるクリニックは多数ありますが、渋谷眼科クリニックでは、最新のデジタル機器を使用してICL手術を行っています。今回は当院で実際に使われている最新機器がどのような役割を果たしているのか、詳しく解説。デジタル機器を活用するメリットなどにも触れているので、興味がある方はぜひご一読くださいね。
■そもそもICLってどんなもの?

ICL(眼内コンタクトレンズ)とは、やわらかいレンズを眼の中に挿入して近視や乱視を矯正するものです。ICL手術で失敗しました、と体験談が書かれているブログなどもあり、失敗のリスクがまったくないわけではありません。しかし衛生管理がきちんと行われていれば失明のリスクはほとんどなく、見え方が安定するまでに時間がかかる場合もありますが、多くの場合、数ヶ月ほどで改善が見込まれます。
眼科医がICL手術を行う際は、認定医資格(ライセンス)の付与が必要です。ライセンスの取得には眼科専門医であり、講習の受講などさまざまな条件があります。インストラクター(指導医)とは認定医の1つ上のライセンスで、ICL手術の立ち会いや技術判断が可能。その上に眼科医への技術指導を行えるエキスパートインストラクターと呼ばれるライセンスがあります。
・IPCLとICLの違いは?
最近ICL以外にIPCLという言葉を耳にすることも出てきました。ICLとIPCLは使用の目的や手術方法などは同じですが、素材が異なります。ICLはHEMA(水酸化エチルメタクリレート)とコラマー(コラーゲンの1種)を含んだ特殊素材を使用。タンパク質汚れが付着しにくく、眼の中でも長い期間安定しやすいとされます。
一方でIPCLはハイブリッド親水アクリルという素材で作られた、ICLに比べて見え方が高品質だといわれている新しいタイプの眼内レンズです。老眼に対応したタイプのレンズもあり、左右で異なるタイプのレンズを挿入することもできます。クリニックにもよりますが、ICLとIPCLの費用には大きな違いはありません。
■デジタル技術を医療に応用したICL手術とは?

ICL手術を行うクリニックの中には、デジタル技術を医療分野に応用した最新機器を使用しているクリニックもあります。詳しくは後述しますが、術前に手術の計画を立てる段階から手術中のガイドまでを行う「VERION Image Guided System」など、ICL手術のさまざまな場面でデジタル技術が活用されているのです。
豊富な経歴を持つ執刀医がいるクリニックが安心と考える方も多いと思いますが、最新機器を使用することが安心へとつながる時代が来ているのかもしれません。
・デジタル技術を活かしたICL手術のメリットとは?
デジタル技術を活かしてICL手術を行うことで、どのようなメリットが考えられるのでしょうか?詳しく見ていきましょう。
ほとんど機械が施術するから、安全性が高い
術前検査から手術中、術後検査に至るまでほとんどの工程を機械が行うことで、高い安全性が保てます。ICLは眼の内側(内眼)にレンズを入れる手術なので、ちょっとした軸のブレが命取り。正確性の高い最新の機械を用いることが、手術の安全性につながるのです。
術後視力の実績が出やすい
正確にレンズを挿入できることで、ICL手術を受けた後の視力がきちんと矯正される確率も高くなります。眼の中にレンズを入れる高額な手術を受けるのですから、術後視力の実績があることは大きなメリットと言えるでしょう。
価格が比較的リーズナブル
ICLは自費診療なので、費用面で負担のある手術です。クリニックによっては執刀医の実積をブランディング化し、費用を大幅に値上げしている場合もあります。しかし最新機器を導入することで人にかかるコスト削減が可能に。医師ごとの技術差はほとんどないにもかかわらず、比較的安くICL手術が受けられるのです。
■VERION Image Guided Systemの活用場面とは?

渋谷眼科クリニックでは、VERION Image Guided Systemを導入しています。ICL手術の大まかな流れは以下のとおりです。
1. 無料適応検査で眼の病気がないか検査
2. さまざまな術前検査を行い、検査結果・状況に応じて患者様ごとの手術計画を作成
3. 機械に送信された情報をベースとして眼球にマーキングし、切開や挿入位置をリアルタイムで執刀医に表示
4. 折りたたまれたレンズをVERIONが指示した位置から挿入
5. 挿入後レンズがゆっくりと拡がったあと、VERIONの指示どおりにレンズ位置を微調整し、固定
上記の流れの中でVERION Image Guided Systemがどのように活用されているのか、詳しくまとめていきます。
・ICL手術をする前(事前検査)
手術前には、患者様によって異なる眼内の血管のデータや、虹彩の特徴をしっかりと計測。計測したデータを元に、眼内の切開位置や乱視矯正の計画、レンズの度数計算などを行っていきます。精密なデータが計測できるのはもちろん、検査を行う際も短時間で済み、非接触型の機械となっているため、患者様自身もストレスなく検査が受けられるのです。
・ICL手術を行っている最中
VERION Image Guided Systemは、手術のステップごとに高解像度の画像を用いたガイドをしてくれます。また手術中の眼球の動きに自動追従するリアルタイムトラッキングシステムを搭載。ちょっとした眼球の動きも追いかけてくれるため、より正確にガイドを行います。
特に乱視矯正の場合、レンズの位置が少しでもずれてしまうと術後の見え方に大きく影響する恐れも。一般的なICL手術ではレンズ位置を目測で判断して決定することもあるため、機械の正確さが安心にもつながっていくのです。
・ICLの手術をした後
術後の視力回復に期待が持てるほか、継続的に術後のデータを蓄積することができるため手術中のガイドの予測精度向上も見込めます。
■渋谷眼科クリニックでは、他にも最新機器を多数導入!
当院では、VERION Image Guided System以外にもさまざまな最新機器を導入しています。それぞれの特徴をご紹介していきましょう。
・CASIA2
ICLの手術前には、手術に適応しているか判断するために必ず検査を実施します。検査項目は10種類以上ありますが、その中の1つである前眼部画像解析は、手術に必要なデータを計測するための大事な検査。この検査で活躍する機械が前眼部OCT装置である「CASIA2」です。
CASIA2は近赤外線を照射し、角膜から水晶体までを3Dで撮影。ICLレンズの最適なサイズの想定を行ったり、ICLが適応するかどうかの情報を得たり、角膜の状態を測定したりします。これまでは人の操作による軸のブレや眼球の動きで正確なデータが取れないケースもありましたが、CASIA2ならより正確なデータをより早く計測できるのです。さらにVERION Image Guided System同様、非接触型の機械なので、患者様の眼に直接触れることがないため負担も軽減できると、良いことづくめの機械と言えるでしょう。
・そのほかの機械
手術のガイドを行うVERION Image Guided System、適応検査を行うCASIA2に加え、渋谷眼科では以下のような最新機器も使用されています。
・TONOREFⅢ Plus(オートレフケラト/トノ/パキメーター):眼の屈折状態(近視、乱視、遠視)、眼圧、角膜の厚みやカーブをすべて自動で測定できる機械
・LM-1800P(レンズメーター):メガネの度数、乱視の種類を判断するための乱視軸などの測定や、短焦点レンズか累進レンズ(遠近両用レンズ)かの自動判別を行う機械
・SSC-370 D(スペースセービングチャート):通常の視力測定に加え、昼間よりも視力が低下するのが一般的とされる夜間を想定した視力検査も実施できる機械
・CEM-530(スペキュラーマイクロスコープ):角膜の1番内側にある角膜内皮細胞の形を撮影し観察したり、数を計測したりできる機械。角膜内皮細胞は再生しないものであるため、検査で形や数を把握するのが重要だとされる
■デジタルICLは正確で安全!
ICL手術は、手術中はもちろん術前検査でも、正確かつ安全に進めることが求められます。これまでは執刀医の経験が正確で安全なICL手術の指標とされてきた傾向にありましたが、デジタル機器を活用したICL手術では安全性と正確性を担保できるうえ、費用も抑えられるのです。
渋谷眼科クリニックは最新機器を使用したICL手術やコンタクト処方、定期検診などを通して毎日の生活をより良いものにするお手伝いをしています。興味がある方は、お問い合わせください。