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コンタクトレンズのソフトとハードの違いを解説!自分に合うのはどちら?

近年、コンタクトレンズ利用者が最も使用しているのはソフトコンタクトレンズであるというデータがあります。しかし、「コスパなどを考えてソフトからハードに変えようか迷っている」という方もいるでしょう。この記事では、ソフトとハードのさまざまな違いやメリット・デメリット、選び方をご紹介します。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったコンタクトレンズを知るきっかけにしてくださいね。
■コンタクトレンズのソフトとハードの違いとは
意外と詳しく知られていない、ソフトコンタクトレンズとハードコンタクトレンズの違いを見ていきましょう。
・【ソフト・ハードの違い】素材
柔らかいソフトコンタクトレンズと、硬いハードコンタクトレンズ、それぞれに使われている素材はさまざまです。双方にはどのような違いがあるのでしょうか。
ソフトコンタクトレンズの素材
ソフトには、「HEMA(ヒドロキシエチルメタクリレート)」という水分を多く含む柔らかいプラスチック素材が広く使われており、付け心地の良さが感じられます。しかし水分が多いほど酸素がよく通るため、乾燥しやすいという特徴も。
近頃では、HEMAとシリコーン素材を組み合わせた「シリコーンハイドロゲル」が登場。こちらはソフトでありながら酸素透過性が高いと人気があります。
ハードコンタクトレンズの素材
一方ハードには、シリコーン系やフッ素系の酸素が多く通るプラスチック素材が使用されています。
ハードは硬くて使い心地が良くないのでは?と思っている方もいるかもしれません。しかし、酸素透過性が高く、乾燥を感じにくいという特徴がハードにはあるのです。
・【ソフト・ハードの違い】サイズ
ソフトコンタクトレンズのサイズは角膜よりも大きい15mmほどで、目の上で動きにくく、外れにくいのが特徴です。
対して、ハードコンタクトレンズは角膜よりも小さい9mmほどで、まばたきによって動きやすいという特徴があります。レンズが動くたびに角膜との間にある涙が入れ替わり、視界が良好になりやすいのはサイズが小さいことによるメリットです。
・【ソフト・ハードの違い】寿命
ソフトコンタクトレンズの主流は、使い捨てタイプ。1日交換・2週間交換・1カ月交換タイプなどがあり、開封後の寿命はそれぞれの使用期間までとなります。
長期的に使用できるソフトコンタクトレンズの寿命は1~1年半ほど。ソフトは水分を多く含むことから汚れがつきやすく、1年を目途に買い替えるのが良いとされています。
ハードコンタクトレンズの寿命は、ソフトよりも長く2~3年ほどです。3年を過ぎると酸素透過性が低くなっていき、買い替えのタイミングとなります。
ソフト・ハードともに寿命がくる前でも、汚れやキズ、変形によって、目に悪影響を及ぼす可能性も。安全に使用するためには、寿命に関わらず、レンズに傷や汚れがついていないか眼科でチェックを受けると安心です。
・【ソフト・ハードの違い】お手入れ方法
ソフトとハードでは、ケア用品にも違いがあり、お手入れの方法にも違いがあります。一例をご紹介しましょう。
1日使い捨てタイプ以外のソフトコンタクトレンズは、洗浄・消毒・保存が1本でできる「MPS(マルチパーパスソリューション)」と呼ばれる薬品でお手入れするのが主流。MPSで軽くこすり洗いをしたあと、MPSを注いだレンズケースに入れて消毒・保存します。
ハードコンタクトレンズは、「酵素洗浄保存液」を使って浸け置き洗いをするのが一般的。ただし浸け置き洗いだけでは、すべての汚れを落としきれないため、こすり洗いも行うほうがベターです。まずは水道水(もしくは専用すすぎ液)ですすいだあと、酵素洗浄保存液でこすり洗いをして、酵素洗浄保存液を注いだレンズケースに数時間浸け置きします。
■ソフトとハードそれぞれのメリット・デメリット

ソフトとハードの違いや特徴をご紹介しましたが、続いてはそれぞれの違いをふまえたメリット・デメリットをチェックしていきましょう。
・ソフトコンタクトレンズのメリット・デメリット
ソフトコンタクトレンズはその柔らかさにより、初めて装着する人でも違和感が少ないのが大きなメリットだといえます。また、レンズが外れにくいことも生活する上で安心できるでしょう。
デメリットとしては、装着しているときの違和感が少ないことで目にゴミが入っても気づきにくく、角膜に異常が起きても見つかりにくいという点があります。定期的に眼科を受診し、目にトラブルが起きていないかチェックしてもらいましょう。
また、涙の量が少ない方は乾燥しやすいというデメリットも。意識的にまばたきをしたり、目薬をさしたりと乾燥対策を行いましょう。
・ハードコンタクトレンズのメリット・デメリット
ハードコンタクトレンズは、ソフトよりも酸素透過性が良く、涙の入れ替わりもスムーズ。乾燥を感じにくい点が大きなメリットでしょう。目にゴミが入った際は、すぐに違和感に気づけるケースが多いため、角膜の異常を早期発見しやすいこともメリットです。
また、強い乱視の矯正には、ハードコンタクトレンズのほうが、効果が高い傾向にあるとされています。乱視軸の細かい調整が必要な場合や、アレルギーによってレンズが目に合わない場合、円錐角膜である場合などの複雑な乱視は、ソフトコンタクトレンズではうまく矯正できないことも。しかし、高い乱視矯正力を持つハードコンタクトレンズであれば、対応できるケースが多くあります。
デメリットとしては、ソフトに比べるとレンズが動きやすく外れやすいことが挙げられます。また、初めて装着する際には慣れるまでに時間がかかることも。個人差はありますが、快適な装着感を得られるまでに1~2週間ほど必要だと思っておくといいでしょう。
■ICLの見え方はハードに近いって本当?
視力を矯正する方法として、眼内に小さなレンズを永久的に挿入するICL(眼内コンタクトレンズ)という方法があります。ICLはレンズ度数の適応幅が広く、強度近視の方はもちろん遠視や乱視の方も、鮮明でクリアな視界を安定して得ることが可能。
ICLは、ハードコンタクトレンズを装着したときの見え方に近いといわれています。ICLは高い乱視矯正力が特徴。前述したハードコンタクトレンズのメリットを併せ持っているといえるでしょう。
■自分に合うのはソフトとハードどちら?

コンタクトレンズをソフトにするかハードにするかの選択は、自身の目の状態はもちろん、どのような場面で使用することが多いかも考慮するといいでしょう。下記の2つのタイプ別に、どのようなコンタクトレンズがおすすめかをご紹介します。
・パソコンやスマホを長時間使用する方
液晶を長時間見たり、近くを見て作業したりすることが多い場合、眼精疲労が起こりやすくなりがち。1日使い捨てタイプやうるおい成分が入ったソフトコンタクトレンズ、高い酸素透過性を持つハードコンタクトレンズがおすすめです。パソコンやスマホで酷使する目をサポートしてくれる機能を持つコンタクトレンズも、ソフト・ハードともにあるので、眼科医に相談してみましょう。
・スポーツをする習慣がある方
激しいスポーツを習慣的にする方には、サイズが大きく外れにくいソフトコンタクトレンズが適しています。しかし、ラグビーなどの激しいスポーツでない場合は、ハードコンタクトレンズでもたいていは問題ありません。
スポーツをする週末だけソフトを使用し、普段はハードを使用するといった併用スタイルを検討するのもいいでしょう。
眼科では、患者さんの目の状態や生活スタイルを踏まえて、適切なコンタクトレンズを処方します。購入する際は必ず眼科で診察を受けて、自分に最も合ったコンタクトレンズを選びましょう。
■自分に合った視力矯正方法を選択しよう
手軽な使い捨てソフトコンタクトレンズと、長期間使用できるハードコンタクトレンズ。自分の目の状態や生活スタイルをふまえて選ぶといいですね。「コンタクトレンズのお手入れがわずらわしい」「乱視が強いけどハードコンタクトレンズが合わない」という方は、ICLを検討なさってはいかがでしょうか。
ICLは眼内にレンズを入れるため、毎日のお手入れは不要。快適に安定した視力を維持できます。気になる方は、お気軽に渋谷眼科クリニックへご相談くださいね。