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カラコンは眼科で処方してもらおう!定期検査はなぜ必要?

カラコンをネットの通販や雑貨店で購入している人はいませんか?答えが「YES」の方は、注意が必要かもしれません。眼科の定期検診を受けずにそのままカラコンを使い続けると、取り返しのつかない事態を招く可能性があるそうです。この記事では、カラコンを眼科で処方してもらうべき理由と、コンタクトレンズの定期検査の重要性について解説します。カラコンのみならず、すべてのコンタクトレズユーザーは必見です。
■カラコンは「高度管理医療機器」!

まず、カラコンユーザーの方に覚えておいていただきたいのが、カラコンを含むすべてのコンタクトレンズは「高度管理医療機器」に指定されているということです。初めて聞く言葉に戸惑う方もいるかもしれませんので、まずは高度管理医療機器についてわかりやすく解説しましょう。
・高度管理医療機器とは
高度管理医療機器とは、副作用や機能障害などが起こった際に、人の健康や生命に重大な影響を及ぼす恐れのある医療機器のことです。 医療機器は、人体へのリスクに応じてクラスⅠからⅥまで分類されていて、クラスが上がるほど、人体へのリスクが高いとされています。
コンタクトレンズは、クラスⅢに分類されており、「人体へのリスクが比較的高いので、販売するためには許可が必須である」と決められている医療機器。
コンタクトレンズと同じく、歯科インプラントもクラスⅢに指定されています。
当初、高度管理医療機器に指定されていたのは視力矯正を目的としたコンタクトレンズのみで、おしゃれ目的の度なしカラコンは雑貨扱いとされていました。
しかし、正しい使用方法を守らないために眼のトラブルを起こす人が続出。そのため、平成21年11月から、度の入っていないカラコンも、高度管理医療機器に指定されました。
・ネットや雑貨店などでカラコンを買うリスク
面倒な検査は要らないし、気軽にいつでも購入できるから…と、目の検査を受けずにインターネットや雑貨店でカラコンを購入してしまうと、眼のトラブルを起こすリスクが高まってしまいます。
例えば、度入りのカラコンの場合、度数が合っていないと見えにくいだけでなく、疲れ目の原因になってしまう可能性があります。
レンズのカーブが目のカーブにしっかり沿っていないと、眼に傷がついてしまう恐れがあるのです。
また、インターネットなどでは、国の安全基準を満たしていない商品を販売していることもあります。安全基準の低いカラコンを装用し続けると、眼に負担がかかり、最悪の場合失明に至るケースもあるのです。
■カラコンは定期検査が必要

定期検査を受けずにネットや雑貨店でカラコンを購入するリスクをご理解いただけたでしょうか?
コンタクトレンズを使用する場合は、自覚症状がなくても3ヵ月に一度は眼科で定期検査を受けるようにしましょう。
ここからは、カラコンを含めたコンタクトレンズの定期検査について、検査の内容や重要性を解説します。
・定期検査ではなにをする?
コンタクトレンズの定期検査は、大きく分けると以下のような流れになります。
問診
まずは問診を行います。問診では、かゆみや痛み、乾燥感などがないかを確認。また、眼科によっては、1日の装用時間や期限を正しく守っているかなど、使い方のチェックするところもあるようです。
視力検査
続いて、行うのは視力検査です。視力検査では、コンタクトレンズの見え方に異常がないかもチェックします。場合によっては、コンタクトレンズを外して裸眼の視力をはかることもあります。
診察
検査が終了したら診察です。診察では、前眼部と呼ばれる眼の表面部分をスリットランプ(細隙灯顕微鏡)で確認します。具体的には
・角膜に傷がないか
・結膜やまぶたに異常はないか
・涙の状態は正常か
・コンタクトレンズのサイズはきちんと目に合っているか
などをチェックします。
眼に異常がある場合は、薬を処方するなどの処置も行われます。
これら眼科での定期検査はすべて保険適応です。
・定期検査を受けないとどうなる?
「眼科に行ってコンタクトの使い方が悪いと怒られたことがある」「面倒くさい」「眼科でもネットでも、カラコンはどこで買っても一緒だから」などの理由で、定期検査を受けない人も少なくありません。しかし、定期検査を受けないと、さまざまなリスクが高まってしまいます。
例えば、白内障や緑内障などの目の病気は、初期の場合自覚症状がないことが多いものです。自覚症状が出て眼科に行ったときにはすでにかなり進行していた…ということも。
しかし、定期検査を受けておけば、早い段階で目の異常に気付くことができます。
また、近年はスマホやパソコンなどの普及により、近くを見る作業が増えたため、大人になっても近視が進行する人は少なくありません。
もし、知らず知らずのうちに近視が進行してコンタクトレンズの度が合わなくなっていると、見えづらくなったり目が疲れたりしてしまいます。
その点、眼科で定期的に検査を受けておけば、いつでも度数があったコンタクトレンズを使用することができるでしょう。
■カラコンは正しく使おう!間違った使い方をするとどうなるか解説
前述した通り、カラコンは高度管理医療機器に指定されているので、間違った使い方をすると、目に重篤な障害が起きるリスクが高まってしまいます。具体的にどのような悪影響を及ぼすのか、紹介しましょう。
・アレルギーを起こす
使用期限や装用期間を守らなかったり、洗浄・消毒をせずに汚れたままのレンズを使用したりした場合、レンズに付着した汚れやホコリが原因でアレルギー性結膜炎を発症する恐れがあります。アレルギー結膜炎になると、眼のかゆみや充血、異物感などが生じ、ひどい場合には、まぶたの裏に「乳頭」と呼ばれるブツブツができる、「巨大乳頭性結膜炎」を発症する恐れもあるのです。
・眼が酸素不足になる
1日の装用時間を守らなかったり、レンズを着けたまま寝たりしてしまうと、角膜が酸素不足になってしまいます。
角膜が酸素不足になると、角膜に傷がついてしまったり、角膜が酸素を取り入れようとして血管が角膜に侵入する「角膜新生血管」を引き起こしたりすることも。
また、酸素不足により「角膜内皮細胞」という細胞が減少してしまいます。角膜内皮細胞が減少すると、角膜が濁って浮腫を起こし視力が低下してしまう可能性があるのです。
・感染症を引き起こす
カラコンの間違った使い方を続けていると、角膜に傷がつく、涙が少なくなるなどして、角膜の防御力が弱くなり、感染症にかかりやすくなってしまいます。
角膜の傷からさまざまな細菌が侵入することで、角膜が濁り、失明してしまうリスクも高まってしまいます。
なかでも、アメーバの一種である「アカントアメーバ」が、角膜の中に侵入してしまうと、重篤な角膜炎を引き起こす可能性もあるので注意が必要です。
上記のような症状を引き起こさないためにも、正しい使い方と眼科での定期検診が必要です。眼の状態によっては、コンタクトの処方を断られる、コンタクトの使用を中止するよう言われることもあるかもしれません。しかし、自分の眼を守るために大切なこと。しっかりと医師の指示に従うようにしましょう。
■度入りカラコンユーザーにはICLがおすすめ!
カラコンは高度管理医療機器なので、正しく使わなければさまざまなリスクが生じてしまう可能性があります。しかし、使い方を守って定期検査をきちんと受ければ問題ありません。ただ、度入りカラコンはカラーが限られているため、そこが不満だという方にはICL(眼内レンズ)もおすすめです。ICLは眼の中に小さなレンズを入れて、視力を矯正する方法。厚生労働省も認可した安全性と有効性が高い矯正法です。ICLで視力矯正すれば、カラコンのカラーバリエーションも広がり、目元のおしゃれがますます楽しめるでしょう。