アスリートと視力の関係…ゴルファーの視力矯正方法は?

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アスリートと視力には深い関係がある、ということをご存じですか?特に、野球やサッカー、テニスなど、ボールの行方をしっかりと目で追わなければならない球技は、視力がプレーの良し悪しを左右します。そこで今回は、数ある球技の中から「ゴルフ」に着目。ゴルファーと目のかかわりや、ゴルファーに人気の高い視力矯正方法を紹介します。

■スポーツと視力の関係は?

スポーツには、「視力があまり影響しないもの」と「視力が勝敗を左右するもの」の2種類あります。
例えばマラソンや水泳などと言った競技は、目から入ってくる情報が勝負の行方を判断する、ということはあまりありません。

反対にテニスやサッカー、ゴルフなどの球技や、バイクレースやF1などスピードを争うレースは、視力が試合結果に大きな影響を及ぼします。

皆さんは、「視力淘汰」という言葉をご存じですか?これは、素晴らしいスポーツの才能を持っているにもかかわらず、視力不足が原因で脱落してしまう現象のこと。主に、中学~高校生でよくみられる現象です。

サッカーやテニス、バスケットボールなど、視界が状況判断や戦況判断の要となるスポーツでは、優れた視力や視界が絶対条件。つまり、同じくらいの実力を持っているプレイヤーなら、視力が悪い人よりも、いい人の方が「実力がある」と捉えられるのです。このように、スポーツの種類によっては、視力は実力に大きな影響を及ぼす…ということがおわかりいただけたでしょうか?

■ゴルフに必要な視力とは?

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視力と深い関係があるスポーツの1つが、ゴルフです。厳密にいうと、ゴルフには「4つの視力」が必要不可欠である、と言われています。

・動体視力…スイングの流れを把握

1つめに必要な視力が「動体視力」です。動体視力とは、動いている物体を見る力を意味します。ゴルファーを始め、多くのアスリートがこの動体視力に優れている、と言っても過言ではないでしょう。

ゴルフの場合、サッカーやバスケットボールのように、目まぐるしく動くボールを目で追う必要はありません。しかし、スイングの際に、インパクトの瞬間までしっかり動きを把握する能力が必要です。動体視力が鍛えられ、インパクトの瞬間がしっかり把握できるようになれば、ゴルフの腕前は確実に上達するでしょう。

・深視力…自分とボールの距離を把握

深視力は、物体との遠近や距離を感じる視力です。ゴルフの場合、深視力がないと自分自身とボールの距離がわからなくなってしまって、クラブを振っても空振りしてしまうことがあります。また、ゴルフに必要なのは、現在地からホールまでの距離を推測したうえで、力をコントロールすること。いわゆる「距離感の把握」です。中でもパッティングは深視力が重要なカギを握っています。深視力が乏しければ、何度も打ち直す羽目になってしまうでしょう。

・周辺視力…距離感や目標までの位置を正確に把握

顔を動かさないで見ることができる視野を、周辺視力といいます。通常、私たちが物を見るときに使用する「視力」に最も近いものです。
ゴルフでは、ティグラウンドに立ってコースレイアウト全体からボールの落とし場所を判断したり、セカンドショットでグリーンの周辺状況を総合的に把握して、どこを狙うべきかを判断したりするのに必要な視力です。

コース全体を瞬時に判断し、最適なポジションへショットするためにも、周辺視力は欠かせません。

・瞬間視力…インパクトする瞬間を把握

瞬間的に視覚的情報を得る能力を、瞬間視力と呼びます。ゴルフでは、スイングして、クラブがボールにインパクトする瞬間をしっかりと見るために、瞬間視力も必要です。

クラブのフェイス面がボールと接着しボールがゆがんだり、フェイスがたわんだりするのが見える、という人も多いのではないでしょうか。そのような場合は、瞬間視力に長けている、と言えるかもしれません。

■ゴルファーに人気の視力矯正方法は?

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ここまで読んで、スポーツに視力が大きく影響する、ということがお分かりいただけたでしょう。とはいえ、視力が悪いスポーツ選手もたくさんいます。ゴルファーも例外ではありません。彼らはいったいどのようにして、視力をカバーしているのでしょうか。

そこで、ここからは、視力の悪いゴルファーの視力回復法や視力矯正術を解説していきます。

・メガネをかけて視力を矯正する方法

もっともスタンダードな視力矯正法として思い浮かべるのは「メガネをかけること」ではないでしょうか。しかし、ゴルファーの間では、メガネはそれほど人気はありません。皆さんもメガネをかけているプロゴルファーは?と聞かれても、ピンとこないのではないでしょうか。

実は、メガネは、ゴルフのプレーにはあまり適していません。スイングの途中でずれる心配がありますし、雨の日にはレンズに水滴がついて、視界の妨げになってしまうこともあります。また、眼鏡のレンズを通して見ることでボールに歪みが生じてしまうこともあるようです。

このような理由から、メガネはあまりゴルフに適している、とは言えません。しかし、サングラスを使用してプレーするゴルファーはたくさんいます。
現在は、UVカットや遮光の機能だけでなく、奥行や距離感を高めてくれる機能付きのサングラスが数多く販売されています。これらのサングラスは、集中力アップという大きなメリットがあるので、多くのゴルファーに支持されているようです。

松山英樹選手はオークリーのサングラスを愛用。コースや状況によって、複数のサングラスを使い分けています。

・コンタクトレンズを装用して視力矯正する方法

コンタクトレンズで視力矯正をしてプレーするゴルファーもいます。代表的なのが、ニュージーランドの女子プロゴルファー、リディア・コー選手です。彼女はトレードマークの黒縁メガネからコンタクトレンズにイメージチェンジしました。

しかし、2016年の米国女子メジャー「ANAインスピレーション」で、左目にアレルギーを発症。コンタクトを洗浄しても症状はよくならず、結局ほぼ右目のみの視力でプレーしなければいけなくなりました。

コンタクトレンズは、メガネに比べると視界は広くなりますが、いくつかのデメリットもあります。コー選手のように、アレルギーを発症してしまうことがあるほか、目に砂ぼこりが入る、プレー中にコンタクトがずれる、など、屋外スポーツならではのデメリットが生じる可能性があるでしょう。

・レーシックで視力を回復させる方法

中島常幸や芹沢信雄など、名だたる名ゴルファーがレーシック手術を受けています。
レーシックは、角膜の表面を削って近視や乱視を矯正する視力回復方法です。裸眼でもよく見えるようになるので、アスリートから支持を集めています。

しかし、レーシックを受けて満足するゴルファーがいる一方、思わぬ健康被害に悩まされているプレイヤーも。
タイガー・ウッズは、手術後、「視界が乱れ、無理に見ようとすると頭痛がする」と訴えている、と地元紙が報じました。
また、小達敏昭プロは「手術後は1.2まで視力が回復したが、0.2まで落ちてしまった」と話します。

レーシックは角膜を削るので、一度手術を受けると、二度と手術前の状態に戻すことはできません。本当に手術を受けるべきなのか、慎重に検討する必要があるでしょう。

・ICL手術で視力を回復させる方法

今、アスリートの間で注目を集めているのが、「ICL」という視力回復方法です。ICLは目の中にソフトコンタクトレンズのような小さくてやわらかい眼内レンズを挿入して、近視や遠視、乱視を回復させる手術。

レーシックのように角膜を削ることがないので、何かあってもすぐに手術前の状態に戻せます。また、見え方のコントラストもよく、クリアな視界を手にいることができるのです。

目の中に入れたレンズは、ケアや定期交換の必要がないので、長期的に良好な視力を得られるのもメリット。

ICLは厚生労働省が認めた安全性と有効性の高い視力矯正方法で、数々のアスリートが手術を受けています。ゴルファーの間で、ICLが視力矯正法のメインになる日は、そう遠くないかもしれません。

■これからはICLゴルファーが急増の予感!

ゴルフの腕前を上げるには、技術だけでなく視力も必要です。とはいえ、近視や遠視、乱視の進行を食い止めるのは難しいもの。そこで重要なのが視力回復の方法です。今、注目のICLは、さまざまなアスリートが支持している視力矯正法。今後、手術を受けるゴルファーも増えるのではないでしょうか。

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