【ICLの日帰り手術】術後はどれくらいで日常生活に戻れるの?

ICLの手術を受けたいけれど、術後に不便な生活が続くのでは?と思っている人も多いのではないでしょうか。また、仕事を何日も休むことができない、カラーコンタクトの装用中止期間が長いと不便だな…と考えている人もいるでしょう。実はICL手術は、日帰りで受けることができるんですよ。そこでこの記事では、ICLの日帰り手術後、何日くらいで元の生活に戻れるのかを解説するとともに、術後の注意点について紹介します。

■ICLとはどのような手術?

まずは、ICLとはどのような視力矯正法か、また、手術の手順について紹介しましょう。

ICLとは、目の中にソフトコンタクトレンズのような柔らかくて小さな眼内レンズを挿入して、近視や遠視、乱視を矯正する手術です。

レーシックとは違って角膜を削る必要がないので、見え方のコントラストもよく、術後すぐに視力の回復が望めます。ICLは、安全性と有効性の高さから、厚生労働省の認可を受けている視力回復方法です。

・ICL手術の方法

ICLの手術は、両眼20~30分程度で終了します。入院の必要がないので、日帰りで受けられる点が特徴です。

手術はまず、目薬で瞳孔を拡大させます。その後、点眼麻酔を目にさし、麻酔が効いてきたら、角膜の黒目と白目の縁の部分を3mm程度切開。レンズの入り口を作ります。

切開した部分から、折りたたんだレンズを挿入し、レンズを水晶体と虹彩の間へと固定。その後、瞳孔を縮ませる目薬を入れたら、手術は終了です。

手術終了後はしばらくの間、院内で休憩します。その後、目の状態を検査して、異常が見られなければ帰宅可能です。

■ICL手術のメリット・デメリット

角膜を削らないICL手術には、さまざまなメリット及び注意点があります。ひとつずつ詳しく解説していきましょう。

・ICL手術のメリット

まずは、ICL手術のメリットを紹介します。

いつでも元の状態に戻せる

ICLは眼の中にレンズを入れて視力を矯正するので、レンズを取り出すことで、ほぼ手術前の状態に戻すことができます。

例えば手術を受けた後に白内障になった場合、レンズを摘出すれば白内障手術が可能です。術後に近視や乱視が進んだとしても、レンズの度数を調整すれば、良好な見え方を維持できます。

メガネやコンタクトから解放される

メガネやコンタクトを使わなくても良好な視力を得られる、というのも大きなメリットのひとつです。眼鏡のように、激しい運動をしてもずれたり落ちたりする心配がありません。コンタクトレンズのような毎日のお手入れも必要なし。何より、朝起きた瞬間からよく見える、というのは快適で便利ですよ!

適応範囲が広い

ICLはレーシックの適応ではない強度近視、乱視の人の矯正も可能です。また、角膜が薄い人でも手術を受けられます。

強度近視の人がレーシック手術を受けた場合、手術後に近視がリバウンドしてしまう、「近視の戻り」が起こることも…。その点ICLは、近視の戻りが起こる可能性は低く、長期にわたって良好な視力を維持することができます。

見え方の質が良い

ICLは角膜を削らないので、角膜のわずかな歪みが発生することがなく、鮮明でクリアな見え方を実感できます。また、レンズの定期的な交換が必要ないため、安定して良好な見え方を継続できる点もメリットでしょう。

術後のリスクが少ない

ICLは厚生労働省が認可した、安全性の高い手術です。術後のリスクが少ない、というメリットもあります。ICL手術では、角膜をわずか3mm程度しか切開しないので、角膜の知覚神経を傷つけません。そのため、術後の違和感やドライアイが気になることも少ないのです。

・ICL手術のデメリット

メリットの多いICLですが、手術を受ける際にはいくつかの注意点があります。ICLの手術を受けて後悔した…ということがないように、しっかりと覚えておきましょう。

自己負担額が大きくなる

ICLは保険の適用対象外なので、手術費用は全額自己負担となります。そのため、手術の費用が高くなってしまう、という点がデメリットでしょう。

ただし、加入している生命保険によっては、手術の給付金が下りることがあります。また、確定申告をすることで医療費控除が受けられ、還付金が戻ってくる可能性も。

手術を受けるまでに時間がかかることがある

ICLのレンズは、一人ひとりオーダーメイドになっています。そのため、国内にレンズの在庫がない場合には、発注しなければいけません。そうなると、レンズが到着するまでに1カ月から3カ月程度かかることもあります。ICLの手術を受ける際は、余裕を持ったスケジュールを組んでおくと安心です。

■ICL手術後、いつ頃もとの生活に戻れる?

ICLの日帰り手術を受けた後、どれくらいで元の生活に戻れるのでしょうか?詳しく解説していきましょう。

・視力が安定するのは?

個人差はありますが、ほとんどの場合、ICLの手術後翌日から数日以内に見え方が安定します。術後すぐはぼんやりとした見え方に…しかし、当日から視力が改善傾向にあることを実感できるでしょう。日にちが経つにつれてだんだんと見え方に違和感がなくなり、数日経過すると徐々に安定していきます。ただし、眼の状態が完全に落ち着くまで、約1カ月、点眼などの加療が必要です。

・術後は保護メガネが必要

手術後しばらくは感染症にかかりやすくなっているため、保護メガネをかけましょう。保護メガネは、眼の中に異物が入るのを防ぐだけでなく、無意識に眼をこするのを防ぐ役割も果たしてくれるんですよ。

術後の保護メガネ、いつまで装用するか個人差はありますが、感染症にかかりやすい4週間程度はつけることをおすすめします。また、術後1週間は、就寝中にも保護メガネを着用するようにしましょう。

・デスクワークは術後2日目よりOK

デスクワークは手術当日・翌日はNGです。特に当日は、しっかりと眼を休めておきましょう。屋外作業や重労働については、検診の際に、医師に復帰のタイミングを相談するようにしてください。

・車の運転は要相談

手術当日は車の運転は絶対にやめましょう。運転再開の時期については、手術の翌日検診で医師と相談してください。ICLの手術後は、特に夜間に視界がぼやけることがあるので、自己判断で運転を再開しないようにしましょう。

・シャワーは当日からOK

シャワーは当日から可能です。ただし、手術当日は、肩から下にだけシャワーをかけるようにしましょう。洗髪や洗顔は、術後4日経ってからOKです。ただし、目元をぬらさないように注意してください。洗顔ができない間は、ぬらしたタオルで顔を拭くと良いでしょう。ただし、目元は避けてくださいね。

・メイクは細心の注意が必要

メイクをする際は、細心の注意を払いましょう。目の周りを避けたスキンケアは、当日から可能です。アイメイク・ベースメイク以外のメイクは手術翌日から、アイメイク・べ―スメイクは手術後1週間経過したらOK。しかし、しばらくの間は、眼の中に異物が入らないように気を付けてください。

・コンタクト・まつエクなどは術後1カ月経ってから

ICLの手術後1カ月経過したら、黒目を大きく見せるコンタクトやカラーコンタクトの装用が可能です。また、まつ毛パーマやまつ毛エクステもOK。術後1カ月経過すれば、ほとんどの事柄が解禁となり、術前と変わらない生活が送れるでしょう。

■術後の注意点を守って快適な視力を手に入れよう

ICLの手術を受けてから、術前の生活に戻るまでには、1カ月程度の時間を要します。その間、不便なことも多く、中には、「ICLの手術を受けてみたけど失敗…?」「ICLはやめた方がいいのでは」というブログやSNS投稿を読んで不安になる人もいるかもしれません。しかし、長い人生のたった1カ月です。残りの時間は、快適な見え方で過ごせるのですから、少しの間だけ、注意点をしっかり守ってくださいね。

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