【白内障手術とは】どんな病気?手術方法や流れは?ICLとの違いも解説

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「白内障」という言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、いったいどんな病気でどのような治療や手術が必要なのか、イメージがわかない場合もあるのでは?
先日退任したJリーグの村井前チェアマンは、TV番組に出演した際、「実はコレ伊達メガネ」とレンズ部分がないメガネをかけていたことが話題に。「もしかして、近視の手術をしたの…?」と思われましたが、どうやら白内障の手術をされたようです。今回は、白内障とはどんな病気か?白内障手術とはいったいどんな手術なのか?を解説していきたいと思います。あわせて白内障と似た手術、ICLについても紹介します。ぜひご覧ください。

■白内障手術とは?手術方法は?

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白内障とはどのような病気で、どんな手術が必要なのでしょうか。

・白内障とは

白内障は、目の中にある、カメラで言うレンズの役割をしている「水晶体」という部分が、加齢とともに濁って見えにくくなってしまう病気です。

主な症状は、
・ぼやけて見える
・かすんで見える
・光がまぶしく感じる
・天候によって見え方が変わる
・灯りの周りに虹がかかったように見える
・月が二重、三重に見える

など。

白内障の発症率は、60代で70%、70代で90%、80代になると100%と言われています。つまり、誰もが避けて通れない老化現象というわけです。
そのほか、アトピー性皮膚炎や糖尿病、ステロイド薬の使用などで若いうちに発症するケースもあります。

・白内障は治るの?

現在、白内障を治す薬はありません。また、白内障で低下した視力は、メガネで矯正することもできないのです。白内障を治す方法は手術しかないのです。

・どんな手術をする?

白内障の手術は、黒目のふちを2~3mmほど切開し、濁った水晶体を吸い取って、代わりに「眼内レンズ」と呼ばれる小さなレンズを挿入します。カメラでいえば、レンズ交換のようなもの。
眼内レンズは、吸い取った水晶体の代わりとなるもので、人工の水晶体です。

・使用する眼内レンズの種類

前述したように、白内障手術では眼内レンズを挿入します。あらかじめ設定している距離に、焦点があうようになっています。このあわせる焦点の数により、種類がいくつか分類されます。

・単焦点レンズ:1点の距離に焦点をあわせた眼内レンズ
・2焦点レンズ:2点の距離に焦点をあわせた眼内レンズ
・3焦点自然視覚レンズ(3焦点レンズ):3点の距離に焦点をあわせた眼内レンズ

このうち、どの眼内レンズを使うかについては、患者さんの生活スタイルや希望をふまえて医師と相談しながら決めていきます。

・手術の流れ

手術の流れを簡単に解説します。ここでは、多くの白内障手術で取り入れられる超音波で水晶体を除去する方法です。
手術を行う前には、術前の検査を行います。眼の状態を見たり、使用する眼内レンズの度数を確認したりして準備が整えば、手術当日を迎えます。

【手術手順】

①麻酔をする
多くの白内障手術では、目薬のような点眼麻酔を使用します。この麻酔により、手術中に痛みを感じることはほぼありません。

➁眼内レンズを入れる切れ目を入れる
水晶体を包んでいる水晶体嚢の前面に丸く切れ目を入れます。これが、眼内レンズを入れる穴となります。細かい作業となるので、顕微鏡で見ながら手術を行います。医院によっては、レーザーで行う場合もありますよ。

➂濁った水晶体の除去
➁で空になった状態の水晶体嚢に眼内レンズを入れます。最後にレンズを固定します。

手術はこのような流れで行います。
切開する部分はできるだけ小さくして、体への負担の軽い手術となっていますよ。術後翌日、1週間後を目安に経過を見る検査も行われます。

ネットなどで検索すると、「痛かった」、「後悔」、「しない方がいい」などネガティブなワードも見られ、不安を感じる方もいるかもしれませんが、「白内障手術は視機能だけでなく、患者の主観的幸福感も改善する可能性があることが示された。その主観的幸福感を受けた患者さんは幸福感が増す」といった調査データもあり、受けた患者さんたちからは満足したという感想を持つ方の方が多いです。

■術後の生活で注意すること

手術は日帰りで行えますので、翌日からは通常の生活に戻れます。手術当日はとくに以下のようなことに注意してくださいね。

・目を押さえたりこすったりしない
・車の運転をしない
・眼帯をつける
・点眼をする
・アルコール・たばこは控える
・メイクや洗顔は控える

食事は通常通りにとりましょう。手術後すぐのうちは眼が充血したりゴロゴロする場合もあります。また、目がかすむ、涙が出るなどの症状も。しかし、このような症状は手術後、数日、もしくは1~2週間もすれば治まってきます。
感染を防ぐため芋、術後に処方された点眼薬は必ず使用しましょう。約1~3カ月程度は続けてください。

また、術後しばらくして気になる症状が現れるケースも。術後発生のリスクにはこのようなものがあります。

・眼内レンズの位置が動く、傾く
・糸くずや虫のようなものが浮遊して見える「飛蚊症」
・術後の目に金が入り込み、炎症を起こす「術後眼内炎」
・手術の際に残した後嚢が濁ってしまう「後発白内障」

上記以外でも、目が見えにくくなったり、痛みが生じたりした場合は医師の診察を受けてください。ケースによっては、手術で入れた眼内レンズを交換することもあります。

■IC Lと白内障手術の違い

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白内障の手術とよく似た手術が、「ICL」です。ICLも白内障と同様、目の中に小さな眼内レンズを挿入して、近視や遠視、乱視を矯正します。
白内障とICLの大きな違いは、「水晶体を残すか残さないか」です。
白内障は、水晶体を取り除いてしまうため、目のピント調節機能が失われてしまいます。それを補うために、眼内レンズを挿入するのです。
一方ICLは、水晶体を残したまま眼内レンズを挿入して、視力を矯正します。

ICLは、厚生労働省に認可された、安全性と有効性の高い視力回復法です。将来目の病気になっても、レンズを取り出して治療を受けることができるんですよ。「視力が良くなりたい」「メガネやコンタクトのわずらわしさから解放されたい」と思っている方は、ぜひ一度、ご相談ください。

■年齢によってはICLが出来ないこともある

「ICLを受けたら、将来白内障の手術ができなくなるのでは?」と心配する方もいるかもしれませんが、ご安心ください。
一度挿入したICLのレンズは取り出すことができるので、もし将来白内障になっても、レンズを取り出して、白内障の手術を受けられますよ。

■正しい知識で白内障手術への不安を軽減

今回は白内障手術についてくわしくお伝えしました。手術と聞くと不安な気持ちになてしまう方もいるかもしれませんが、紹介したように短時間で痛みもほとんど感じることのない手術です。手術の流れや注意点を事前に把握しておくことで、不安も解消されるでしょう。正しい知識を得て、白内障手術にのぞめるといいですね。
また、ICLについて興味を持たれた方は、お気軽に当院までご相談ください。渋谷眼科クリニックでは、みなさんに「見える世界」を提供することで、人生のQOLをあげるお手伝いがしたいと考えています。

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